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適応障害 学びのまとめ
◇このページは
実際に適応障害になった経験から、学びをまとめました。
※適応障害 経験者のQ&A、疲れたら・・・休むしかない!やこうなると、壊れます、また「プール」にたとえてみたなどもご参考になさってください。
◇どうなった?
「日曜日の夜」の気分が毎日続くようになりました
「いきたくない」というあの気持ちです。最初は月曜日の朝だけだったのが、毎朝になり、やがて「休み時間のあと」になり、徐々に「四六時中」になって、頭がずっともやもやしました。
毎朝4時に目が覚めて、それから眠れなくなりました
最初は月曜日の朝だけだったのが、やがて平日すべてになりました。ひどくなると、休日にも同じ現象が起こるようになって、まったく疲れが取れなくなります。
最後は1時間おきに目が覚めて、ついに「朝2時から眠れなくなる」という状態になっていました。めちゃくちゃです。
1本の電話やメールがとてもしんどくなりました
最初は「1本でも電話をすればあとは普通に働ける」状態だったのが、やがて1本の電話をするのにも異常なほどエネルギーを要するようになりました。最後には、「1時間に1本」どころか「
半日に1本」ですら電話が掛けにくくなっていました。仕事になりません。
不意に涙が流れるようになりました
夜中などに勝手に涙が流れてきて、自分でびっくりするという現象が発生しました。やがて、毎晩立て続けに涙が出る・・という状態になりました。
毎日体調がすぐれませんでした
肩凝り・腰痛、目の痙攣、眼精疲労、頭痛、めまい、耳鳴り、瞼の痙攣、立ち眩み、吐き気、下痢。これが私の毎日のルーチンでした。とくに私は「肩凝り」「めまい」と「下痢」に悩まされました。
疲れが全く取れませんでした
休日をはさんでも、疲れはまったく取れない状態で、いつも「疲れた」「疲れた」と連発していました。
焦燥感がすごかったです
いつも何かに焦っていて、気持ちが落ち着きませんでした。イライラ、そわそわがひどく、とにかくじっとしていられません。
仕事の取り掛かりにエネルギーがものすごくかかりました
まともに仕事に取り掛かることができません。例えば在宅勤務の場合、以前は8時には余裕で勤務を開始できていたのが、後半になると「どうにか10時過ぎには仕事を無理やり開始している」状態にまで悪化していました。
1日に何度もストレスチェックをしていました
結果はいつも「重度のうつ状態」・・・って、当たり前ですよね。今冷静に上記を眺めてみると、完全におかしいですもの。でも、「休む」という選択が頭に浮かばない。今振り返るとですが、完璧にぶっ壊れていました。
◇原因は「自分自身の認知のクセ」×「環境」である
(原因)自分自身の認知の問題
1.完璧主義
2.行動軸が「他者評価」にしかない
3.完璧主義と他者軸に支配されているがゆえの自分を痛めつける勤務
⇒持続が不可能な働き方に、いつのまにか過剰適応してしまっていた。
- 「不安(どうしよう)」と「不満(くれない)」と「他者」が負のキーワードとして機能していた。
「自分がどうするか」という自分軸と、セルフコントロール(メリハリ+感情マネジメント)によって、「持続可能な働き方」に転換していく必要が絶対的にあった(のに、しなかった)。
(原因)環境の問題
0.前提として、環境の激変があった
1.特殊な業務引継があった
⇒周囲に認められようと、気負いすぎた。
2.深刻な「尻ぬぐい」が待っていた
- 業務を引き継いで蓋を開けてみると、少なく見積もって担当顧客の1/4程度と深刻な問題が生じていた(前任者が、調整なしで退職してしまった真の理由がこれだった
・・・)。ここに起因するクレームも週単位で頻繁に発生しており、言葉を選ばずに言えばここまでの「尻ぬぐい」にエネルギーの90%以上を割く必要があった。
⇒全員と最初から100%良好の関係を作ろうとしすぎた。
3.相対的に担当業務量が多かった
- 週3くらいのレベルで日帰り出張(往復100~200キロくらいの中程度のもの)が続くなどの物理的な過酷さ
⇒評価を気にしすぎて、自身の業務状態に関するマイナス面のフィードバックを行わなかった
4.ゴールのないマラソン
- プロジェクト終了直後にプロジェクトが組み込まれ、休む間もなく、担当業務外の様々なプロジェクトに参加を余儀なくされていた。
- 次々と企画が組み込まれ、休む間もなく、次の企画の準備に追われ続けた。
⇒評価を気にしすぎて、本音のコミュニケーションをとってこなかった。
5.テレワークによる情報処理量のオーバー
- 顧客からの昼夜休日を問わない問い合わせ対応
- メールやTeams/Slack、SMS等への即レス対応
- Zoom等のビデオ会議での「いいね」等の反応
- ほぼ毎週の業務外勉強会の強制的な参加
⇒対応時間を決めず、「即レス至上主義」「マルチタスク至上主義」に陥っていた
◇休み方
○まずは「疲れ」を自覚する
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マラソンのゴールテープを切った直後で、バタンと倒れこんでしまうイメージです。休みに入ると、数日間、疲れに疲れて動けません。ここで「どれだけ自分が疲れていたか」を自覚することが重要です。
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休んだ翌日は肩凝り・腰痛のあまりのひどさに、布団から起き上がることもできず、「私って、こんなに疲れていたのか・・・」と自分でも笑ってしまうほどでした。
○睡眠が最優先
- 何をおいても、睡眠が重要です。最初は寝たいだけ寝て、身体がいうままにとにかく眠ることを最優先します。私は最長で1日16時間寝ました。
○飽きるまでダラダラする
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自分がやりたい(できる)と思ったことをする。やりたい(けどできない)とか、やったほうがいいなと思う(ができない)ことはしません。テレビをぼーっと見るもよし、ずっとソファでゴロゴロするもよし。そのうち、「身体を動かしたいな」と思うようになるまで、ずっとずっとダラダラするのが「休む」コツです。
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一般的に、「人から言われず自分で勝手にやる」ことが「やりたい(できる)」ことです。「この機会に旅行にでも行きたいな(でも今は疲れているからいけないな)」と思ったらそれは「今はやらないほうがいいこと」です。また、「運動でもしないと(でも今は腰が痛いし)」というのも「今はやらないほうがいいこと」です。自動的に勝手に手が伸びること(例えばYouTubeサーフィンとか)は、ダラダラすべき時期に「やっていいこと」に入ります。
○運動・娯楽・レジャー、規則正しさは必ずしも休息にはならない
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運動、ジムや旅行などは、「活動」なので、却って休息にならないこともあります。やりたい(できる)になるまでは避けてよいようです。ダラダラに飽きてきて、やったほうがいいな(強制)ではなく、やりたい(けどできない)でもなく、やりたい(できる)になったとき、はじめて取り掛かればよいでしょう。
- 規則正しい生活も、ダラダラにいい加減飽きてきて、やりたい(できる)になったら取り掛かればよいと思います。
○大きな決断(退職、転職、引っ越し、大きな買い物など)は、休んですぐにはしない
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環境の急激な変化は新たなストレスを起こします。退職・転職、引っ越しなどは、すぐには決断しないほうがよい・・と一般的には言われています。疲れていて正常な判断ができない状態で、あるいは少し良くなったからと言って回復しきっていない状態では、重要な判断を誤る可能性が高くなるからです。
⇒「ストレスで休養するときの休み方」をまとめるもどうぞ。
◇教訓
■「まだ大丈夫」と思ったときは「もう危険」
- 「まだ大丈夫」という言葉で、自分を洗脳している可能性があります。「本当にまだ大丈夫?」と問いかけてみたいものです。
■「どうしても休めない」と思ったときは「どうしても休め」のサイン
- 実は「どうしても休めない」ことって、少ないものです。ほとんどの場合、「絶対に代わりはいる」ので、休んで大丈夫です。
- というか、「どうしても休めない」と思っていること自体が、疲労のあまり認知が歪んでいるサインでもあります。休んで大丈夫です。
■「たたかう」だけでなく「にげる」のコマンド選択もときには必要
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RPGでは、必ず「にげる」のコマンドがありますよね。めちゃくちゃ強いボスに当たって、「ヤバい、パーティーが全滅する!セーブもしていない!」と思ったら、迷わず「にげる」を選択しますよね。でも現実世界ではどうでしょう?明らかにHP(体力)が瀕死の状態に減っていて、MP(気力)もとっくに使い切っていて、どうしようもないのに「たたかう」を選択してしまっていることって、少なからずありますよね。
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もちろん、常に「にげる」では経験値もゴールドもたまりませんから考えものですが、どうしようもないときに「にげる」を選択することは、生存戦略としては「アリ」なんですよね。
公開開始:2022年1月16日
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