貯蓄や投資にとって資産形成を行うことが「資産運用」です。資産運用の中で、利益を期待して自己資金を投じることを「投資」といいます。
利益(リターン)には、売買によって得られるキャピタルゲイン(売買益)と、運用によって得られる利子や配当金などのインカムゲインがあります。リスクが低いものは損益が低く抑えられ(ローリスク・ローリターン)、リスクが高いものほど損益が高くなります(ハイリスク・ハイリターン)。
銀行に資産を預けて利子を得る、もっとも一般的な「投資」です。元本が保証された預金はいつでも引き出すことができ、預けた銀行が破綻をしない限りはほぼノーリスクで運用できる一方、極めてローリターンです。銀行が破綻した場合は、預金保険によって元本1000万円と利子までは保証されています。
基準残高以上の残高があるときに、(ときに段階的に)普通預金よりも金利が高くなる預金です。お金の出し入れは自由に行える一方、自動支払いや自動受け取りは利用できません。元本保証で、預金保険の対象です。
銀行に、一定の期間を決めて預金し、利子を得ます。期間中に引き出すことができない代わりに、普通預金よりも利子が優遇されます。期間中に引き出した場合は、受け取り利子が大幅に下がるなどのペナルティがあります。元本保証で、預金保険の対象です。
いわば証券会社版の「普通預金」で、申し込むことで証券口座に入金した資金が自動で運用されます。金利は普通預金よりも高い程度ですが、元本割れのリスクも低いとされています。Money Reserve Fundの略です。
いわば証券会社版の「定期預金」で、預け入れ後30日間は引き出しが不可能となります。オープン型の公社債投資信託という、安定分野に投資されます。金利はMRFよりも高い程度ですが、元本割れのリスクも低いとされます。Money Management Fundの略です。
証券取引所に上場している投資信託の一種で、リアルタイムに売買できるほか、投資信託の中ではもっとも信託報酬が低いことも特徴です。Exchange Traded Fundsの略です。
日本の国債・公債への投資です。保持期間中は定期的に利子が支払われ、満期(償還日)に元本が返却されます。満期前に売却することも可能ですが、その場合は元本割れする可能性があります。
民間企業が出資を募る社債への投資です。保持期間中は定期的に利子が支払われ、満期(償還日)に元本が返却されます。満期前に売却することも可能ですが、その場合は元本割れする可能性があります。また、企業の倒産により 当該の債権が紙くずとなるリスクもあります。
日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)に連動するように運用される投資信託です。アクティブファンドに比べて信託報酬が低いことが特徴です。
自身で売買する代わりに、証券会社に投資を委託する金融商品です。投資先は国内外の株式や債券、不動産などがあり、目標とするリターン・リスクに応じて組み合わせ・配分が異なります。一定の信託報酬がかかりますが、少額からはじめられ、スケールメリットを生かしてリスクを分散させた投資を行うことが可能です。
自身で売買する代わりに、資産運用会社に、不動産売買投資を委託する金融商品です。「Real Estate Investment Trust」の略です。日本のREITは「J-REIT」と呼ばれます。
株式を保有することで配当金収入を得て、売買することで利益を得ます。株価の変動によって元本が大きく上下するリスクがあります。
新規公開株(Initial Public Offering)への投資です。株式会社が上場する際の初売り公開株は、ご祝儀相場によって短期間で値上がりすることが多いことから、期待値の大きい(下馬評の高い)企業であればあるほど購入申し込みが集中します。その場合は抽選購入となり、当選者だけがIPOを入手できることになります。
「有事の金」「安全資産」とも呼ばれ、世界共通の価値で扱われる投資資産です。取引が米ドルで行われることから、金価格は米ドルの為替相場の変化に応じて上下します。
円ではなく、米ドルやユーロなどの外貨で預金をします。銀行の一般的な預金と比較して高金利が設定され、かつ、「円高の時に預け、円安の時に引き出す」ことで為替差益を得ることができます。一方で、為替変動によって預入時よりもさらに円高に振れた場合は、大きく元本割れを起こすリスクもあります。なお、預入・引き出しの際には為替手数料が発生します。
いわば証券会社版の「外貨預金」です。公社債など安定分野に投資される投資信託であることはMMFと同じですが、米ドルなどの外貨で投資される点がMMFとの大きな違いです。高利率であることが多いですが、為替変動によって大きく元本割れするリスクがあります。また、信託手数料・為替手数料が発生します。
外国の債権への投資です。保持期間中は定期的に利子が支払われ、満期(償還日)に元本が返却されます。満期前に売却することも可能ですが、その場合は元本割れする可能性があります。 また、為替変動によるリスクが発生します。
利益を得ることを目的に、土地やアパート、マンションなどに投資するものです。物件価値の上昇を期待して不動産を購入し、価値が上がった時に売却することで売却益を得るほか、購入した不動産を保有し、第三者に賃貸することで地代・家賃収入を得ます。初期投資が莫大になること、また投資に比して被るリスクも大きいこと(値下がり、買い手・借り手がつかない、老朽化リスクなど)から、一般的には初心者向けの投資ではありません。
なお、「節税」をうたう不動産投資もありますが、「赤字」だからこそ「節税」になるのであって、「利益が出て、税金も減る」という打ち出の小槌のような話はないことには留意したいところです(資産家などで「利益を小さくしたい」人にとってはそれが有用なこともあり得ますが、一般人が資産形成目的で「節税」することは、基本的には二律背反となります)。
Foreign Exchangeの略で、「外貨を売買することで差益を得ること」です。「レバレッジ」と呼ばれる手持ち資金を超えた金額で取引できる仕組みが特徴です。レバレッジを掛けることで、担保となる保証金の何倍もの金額を取引することができ、少ない資金で大きな投資・利益を狙うことができます。ただし、為替が投資と逆の方向に動いた場合は、一瞬にして投資額以上の巨額の損失を被る虞もあるため、きわめて投機性の高い投資といえます。
株式や債権、通貨や金利、商品、信用リスクなどの原資産を取引するものを金融派生商品(デリバティブ)取引といいます。先物取引は原資産を事前に決めた期日・価格で売買する取引のことです。オプション取引は、原資産の買い付け・売りつけのオプション(権利)を売買することです。相場の見通し通りに価格が変動すれば大きな利益が期待できる一方で、見通しが外れた場合の損失も巨額になります。FXのレバレッジ同様、きわめてハイリスク・ハイリターン な投資の一種です。
ビットコインに代表される暗号資産の売買益を得る取引です。値上がり・値下がりの幅が大きいことから、ハイリスク・ハイリターンの投資とされます。取引手数料は安価ですが、投資益に対しては「雑所得」としてその他の収入と合算して所得税・住民税がかかる点に注意が必要です。
「Nippon Individual Savings Account」の略です。NISA自体は何かの投資商品ということではなく、NISA適用の口座を利用して株式投資や投資信託を行った場合、その運用益に対して一定額までが非課税になるという「制度」を指します。当然ながら元本保証ではないため、そもそも投資運用益が発生しない(非課税以前の問題)リスクも存在することには注意が必要です。
「individual-type Defined Contribution pension plan」の略です。こちらもiDeco自体が何かの投資商品ということではなく、一定額を個人年金として投資によって積み立てる制度です。積立金分の所得税・住民税が非課税となることがメリットですが、60歳になるまで積み立てたお金を引き出すことはできません。「元本確保型」と「元本変動型」がありますが、「元本確保型」であっても手数料はかかることから、「元本保証」がなされているわけではない点にも留意しましょう。