【おせちの由来】 自然の恵みに感謝して神様に供えたものを「節供」といいます。宮中では、元旦や五節句(1月7日:人日の節句、3月3日:上巳の節句、5月5日:端午の節句、7月7日:七夕の節句、9月9日:重陽の節句)に「節会(せちえ)」という宴が開かれました。節会で神様に供えられたり、振舞われたりした料理が「御節供(おせちく)」で、おせち(御節)の由来です。やがて節日のうち、1年でもっとも重要な「正月」の料理を指すようになりました。
お屠蘇(一年の邪気を払い(屠り)、生気を蘇生させる、長寿を願っていただくお酒)を祝う肴。
黒く日焼けするほどマメに働けるように。邪気を払い、無病息災を願ったもの。黒は邪除けの色とされる。関東では「皺が寄るまで長生きできるように」と皺が寄るように黒豆を煮て、関西では「皺がない」ことを長生きの象徴と見立てて艶のある形で黒豆を煮ることが一般的。
五穀豊穣と子孫繁栄。卵の数が多いことに因む。また「ニシン」は「二親(二人の親)」である。
カタクチイワシを田の大変よい肥料としたことから、「田作り」で五穀豊穣を願う。「ごまめ(五万米)」とも。多くの幼魚より、子孫繁栄の縁起も担ぐ。
豊年の象徴である瑞鳥を表しており、豊作と息災を願う。ごぼうの黒色は邪気を払う色。また、ゴボウは地中に深く根を張ることから、延命長寿、家の基礎が堅いこと、家族が土地に根付いて安泰であることを願う。運を開く意を込めて「開きごぼう」とも。ごぼうは薬効に優れることから、「健康」も意味する。
酒の肴です。
紅白は縁起の良い色。赤は魔除け、紅はめでたさ・喜び、白は清浄や神聖の色。また蒲鉾の形は初日の出に模される。
形が巻物に似ていることから、「知識が増えるように」と学業成就の願いが込められている。「伊達」は「華やかな」の意。
「金団」は「金色の団子」「金色の布団」で、金銀財宝、金塊、小判の意味。黄金に喩えて金運上昇を願う。「勝負強い1年でありますように」と願って「搗ち栗」とも。
「福が多くなること」を願う。
黄身が「金」、白身が「銀」、二色で「錦」と掛け合わされ、財宝の意味を持つ。
黄身と白身の糸が折り合わされ、錦が完成することを表す。
ごぼうの姿から、「細く長く幸せが続く」ことを願う。
「たらふく食べられる」の語呂合わせで、「1年間食に困らないように」願う。
梅の木が長生きであること、また皺が寄っていることから長寿の象徴。
「寿留女」の字を当て、祝い事を表す縁起物。
平安と平和を願った縁起物。祝い事に用いる、紅白の「水引」にあやかる。また人参・大根(根菜)から、「根を張るように」との願いも込められている。
長寿を願う。「長老木」「千代呂木」「長老喜」「長呂貴」などと書く。
蓮根は極楽の池にある、穢れなき植物。穴が多数あることから、「将来の見通しが利く」という縁起物。
長寿を願う。株(頭)を目指すことから。また、菊は邪気を払うとされている。紅白に染められた菊の花の形はめでたさ、繁栄や健康を表す。
紅白模様の縁起物。赤は魔除け。墨を吐くさまから「苦難を煙に巻く」。また「多幸」で「一年間の幸せ」を願う。
出世魚である小肌から、縁起物。クチナシで染めた粟で五穀豊穣を願う。
鰤が出世魚であることから、立身出世を願う。
恵比寿様が持つ魚。「めでたい」の語呂合わせ。
髭が長く腰が曲がっていることから、長寿を祈願。また、脱皮することから「生命の更新」や「出世」も願う。
貝どうしがぴったりと合わさるものは1つしかないことから、良縁を表す。
貴重な食材として、古くから神様へお供えされてきた。長生きな貝であることから、不老長寿を表す。
別名を「ふくだめ」。「福がたまりますように」の願いが込められている。また、「九穴の鮑」の言い伝えで、殻に九つの穴が空いた鮑を食すると長寿になるとされ、その代用としても重用される。
「うなぎ上り」に肖って、出世を願う。
「よろこぶ」の語呂合わせ。昆布は「ひろめ」「えびすめ」とも。昆布の形状が末広がりであることから「ひろめ」。また、「子生」とも書き、子孫繁栄の意味も持つ。伊達巻と同じく形が巻物と似ていることから、文化や学問(知識)の意も。なおニシンを巻く場合は、「二親」が「養老昆布(よろこぶ)」で、「両親の健康、不老長寿」を願う意味もある。
土の中で根を張る「根菜」を用い、「末長い幸せ」を願う。また、たくさんの具材を一緒に煮込むことから、「家族が仲良く暮らす」ことを表す。
「運」がつく縁起を担ぎ、「ん」がつく食材(大根、蓮根、蒟蒻、人参)が使われる。
神様へのお供えとして珍重されてきた。「元気・壮健」を願う。
家が守られるようにと願う。
手綱を締めて心を引き締め、心を養うことを表す。また結び目から円満・良縁を意味し、「縁を結ぶ」縁起物。
最初に大きな芽が出ることから、「めでたい」とかける。また、「芽が出る」で出世を願う。クチナシで黄色に着色することで、「財」を表し、お金や豊かさを表す。また、「くわい(快)」から、「1年を快く過ごせるように」願う。角形で「亀」を表し、長寿も願う。
穴が多数あることから、「将来の見通しが利く」という縁起物。また、「花の後に実を結ぶように」という意味もある。
破魔矢の矢羽根に見立てたもの。妖気を破り浄化し、1年の幸運を射止める縁起物。
親芋が大きいことから、「頭」になることを願う。また、里芋は子芋がたくさん育つことから子宝を祈願したもの。丸い形は家族円満を表す。
子どもがすくすく育つように(成長が早い)。立身出世(天に向かって伸びる)。家の繁栄。幸運を伸ばす。
財宝としての「金冠」。また、「ん」は「運」で、「運を重ねる」「金運」。
梅は花が咲くと必ず実を結ぶことから、縁起物。また人参の赤色は寿を表す。丸い人参は「日の出人参」と呼ばれ、「円」の形は良縁を意味する。
鱗茎が重なり合っていることから、「歳を重ねる」および「和合」に通じ、吉祥の象徴。また重なり合ったゆりの麟弁を子宝に見立てて、子孫繁栄を表す。ゆりねの薬効から、無病息災を祈って食する。