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戒めことば集


古今東西の「戒め」となることばです。

十戒

仏教において僧侶が日常的に守るべきとされる十の戒律です。

  1. 不殺生:生き物を殺してはならない
  2. 不盗:盗みをしてはならない
  3. 不淫:性交渉をしてはならない
  4. 不妄語:嘘をついてはならない
  5. 不飲酒:酒を飲んではならない
  6. 著香華鬘不香塗身:化粧をしたり装飾類を身に付けてはならない
  7. 不歌舞倡妓不往観聴:歌舞音曲を鑑賞してはならない
  8. 不坐高広大床:大きく立派な寝床で寝てはならない
  9. 不非時食:正午以降に食べ物を摂ってはならない
  10. 不捉持生像金銀宝物:個人の財産を所有してはならない

モーセの十戒

正教会・聖公会・プロテスタント(ルーテル教会を除く)

  1. 主が唯一神であること
  2. 偶像崇拝の禁止
  3. 神の名をみだりに唱えてはならないこと
  4. 安息日を守ること
  5. 父母を敬うこと
  6. 汝、殺す勿れ
  7. 姦淫をしてはいけないこと
  8. 汝、盗む勿れ
  9. 隣人について偽証してはならないこと
  10. 隣人の家や財産を貪ってはいけないこと

カトリック・ルーテル教会

「わたしはあなたの主なる神である。

  1. わたしのほかに神があってはならない
  2. あなたの神、主の名をみだりに唱えてはならない
  3. 主の日を心に留め、これを聖とせよ
  4. あなたの父母を敬え
  5. 殺してはならない
  6. 姦淫してはならない
  7. 盗んではならない
  8. 隣人に関して偽証してはならない
  9. 隣人の妻を欲してはならない
  10. 隣人の財産を欲してはならない

十七条憲法

現代語にて要旨を記載しています。

  1. 和を以て貴しとなし、争わないようにせよ。
  2. 仏教の三宝(仏法僧)を厚く敬え。
  3. 詔は必ず謹んで承れ。
  4. 群臣と役人は礼を基本として治めよ。
  5. 饗応を絶ち、財物への欲望を棄て、公正に訴訟せよ。
  6. 勧善懲悪は、古来の良い規範である。
  7. 各人の任務を全うせよ。職権を濫用するな。
  8. 群臣と役人は朝早く出勤し、遅くに退勤せよ。
  9. 信は義の基本である。
  10. 憤怒を絶ち、瞋恚を棄て、人それぞれ考えが違うことに怒るな。
  11. 信賞必罰。
  12. 国に無断で徴税してはならない。
  13. 官吏は自身の任務を把握してその任に当たれ。
  14. 群臣と役人は、嫉妬で動いてはならない。
  15. 臣下は私心ではなく公益のために務めよ。
  16. 適切な時期に賦役し、農作や養蚕の時期に賦役を課してはならない。
  17. 物事は独断ではなく、合議により行え。

会津藩校日新館の心得

什の掟

日新館へ入学する前の心得です。

日新館の心得

現代語にて記載しています。

  1. 毎朝、早く起きて顔や手を洗い、歯を磨き、髪の毛を整え、衣服を正しく着て、父母に朝のご挨拶をしなさい。そして、年齢に応じて部屋の掃除をし、いつお客様がお出でになってもよいようにしなさい。
  2. 父母や目上の方へ食事の世話、それからお茶や煙草の準備をしてあげなさい。父母が揃って食事をする時は、両親が箸を取らないうちは子供が先に食事をしてはいけません。理由があって、どうしても早く食べなければならない時は、その理由を言って許しを得てから食事をしなさい。
  3. 父母が家の玄関を出入りなさったり、あるいは目上の方がお客様として玄関にみえられた時、お帰りになる時は、送り迎えをしなければいけません。
  4. 外出するときは、父母に行き先を告げ、家に帰ったならば只今戻りましたと、挨拶をしなさい。すべて何事もまず父母にお伺いをし、自分勝手なことをすることは許されません。
  5. 父母、目上の方と話をする場合は、立ちながらものを言ったり、聞いたりしてはなりません。また、いくら寒いからといって自分のふところの中に手を入れたり、暑いからといって扇を使ったり、衣服を脱いだり、衣服の裾をたぐり上げたり、そのほか汚れたものを父母の目につく所に置くようなことをしてはいけません。
  6. 父母、目上の方々から用事を言いつけられた時は、つつしんでその用件をうけたまわり、そのことを怠らないでやりなさい。自分を呼んでいらっしゃる時は、速やかに返事をしてかけつけなさい。どのようなことがあっても、その命令に背いたり、親を親とも思わないような返事をしてはいけません。
  7. 父母が寒さを心配して、衣服を着るようにおすすめになったら、自分では寒くないと思っても衣服を身につけなさい。なお、新たに衣服を用意してくださった時は、自分では気に入らないと思っても、つつしんでいただきなさい。
  8. 父母が常におられる畳の上には、ほんのちょっとしたことでも上がってはいけません。また、道の真ん中は偉い人が通るところですから、子どもは道の端を歩きなさい。そして、門の敷居は踏んではいけないし、中央を通ってもいけません。ましてや、藩主や家老がお通りになる門はなおさらのことです。
  9. 先生または父母と付き合いがある人と途中で出会った時は、道の端に控えて礼をしなさい。決して軽々しく行き先などを聞いてはいけません。もし、一緒に歩かなければならない時は、後ろについて歩きなさい。
  10. 他人の悪口を言ったり、他人を理由もないのに笑ったりしてはいけません。あるいはふざけて高い所に登ったり、川や池の水の深い所で危険なことをして遊んではいけません。
  11. すべて、まず学ぶことから始めなさい。そして、学習に際しては姿勢を正し、素直な気持ちになり、相手を心から尊敬して教わりなさい。
  12. 服装や姿かたちというものは、その人となりを示すものであるから、武士であるか、町人であるかがすぐわかるように、武士は武士らしく衣服を正しく整えなさい。決して他人から非難されるようなことのないようにしなさい。もちろん、どのように親しい間柄であっても、言葉づかいを崩してはいけません。また、他の藩の人たちに通じないような、下品な言葉づかいをしてはいけません。
  13. 自分が人に贈り物をする時でも、父がよろしく申しておりました、と言いそえ、また、贈り物をいただいた場合は、丁寧にお礼を述べながら父母もさぞかし喜びますと言いそえるようにしなければなりません。すべてに対して父母をまず表に立てて、子が勝手に処理するのではないことを、相手にわかってもらえるようにしなければなりません。
  14. もしも、父母の手伝いをする時は、少しでも力を出すのを惜しんではいけません。まめに働きなさい。
  15. 身分の高い人や目上の人が来た場合には、席を立って出迎え、帰る時も見送りをしなければなりません。それにお客様の前では、身分の低い人はもとより、犬猫にいたるまで決してしかり飛ばしてはいけません。また、目上の人の前で、ものを吐いたり、しゃっくりやげっぷ、くしゃみやあくび、わき見、背伸び、物に寄りかかるなど、失礼な態度に見えるような仕草をしてはいけません。
  16. 年上の人から何かを聞かれたならば、自分から先に答えないで、その場にいらっしゃる方を見回して、どなたか適当な方がお出でになっていたら、その方に答えてもらいなさい。自分から先に、知ったかぶりをして答えてはいけません。
  17. みんなで集まってわいわいお酒を飲んだり、仕事もしないで、女の人と遊ぶいかがわしい場所に出かけるのを楽しみにしてはいけません。特に男子は、年が若い頃は女子と二人だけで遊びたい本能をおさえることは、なかなか難しいとされています。だからといってそのような遊びを経験し、癖ともなれば、それこそ一生を誤り、大変不名誉な人生を送ることになりかねません。だから、幼い頃から男と女の区別をしっかりし、女子と遊ぶ話などしないことが大切です。あるいは、下品な言葉を発して回りの人を笑わせたり、軽はずみな行いをしてはいけません。なお、喧嘩は自分で我慢ができないから起こるものであって、何事も辛抱強く我慢して喧嘩をしないように、いつも心掛けなさい。

(参考文献:會津藩校 日新館―会津藩・白虎隊の学び舎


教育勅語

教育勅語で示された、12の徳目について記載しています。

  1. 親孝行
  2. 兄弟姉妹の友愛
  3. 夫婦の和
  4. 朋友の信
  5. 謙遜
  6. 博愛
  7. 修学習業
  8. 智能啓発
  9. 徳器成就(人格向上)
  10. 公益世務
  11. 遵法
  12. 義勇

つもりちがい十ヶ条

元善光寺の住職が書いたものとされる、誰もが身につまされる十訓です。

  1. 高いつもりで低いのが 教養
  2. 低いつもりで高いのが 気位
  3. 深いつもりで浅いのが 知恵
  4. 浅いつもりで深いのが 欲望
  5. 厚いつもりで薄いのが 人情
  6. 薄いつもりで厚いのが 面皮
  7. 強いつもりで弱いのが 根性
  8. 弱いつもりで強いのが 自我
  9. 多いつもりで少ないのが 分別
  10. 少ないつもりで多いのが 無駄

デンマークサッカー協会 少年指導10か条

現代のあらゆる指導的立場にある人間にとって、大変示唆に富む箴言です。

  1. 子どもたちはあなたの「モノ」ではない。
  2. 子どもたちはサッカーに夢中だ。
  3. 子どもたちはあなたとともにサッカー人生を歩んでいる。
  4. 子どもたちから求められることはあっても、あなたから求めてはいけない。
  5. あなたの欲望を子どもたちを介して満たしてはならない。
  6. アドバイスはしても、あなたの考えを押し付けてはいけない。
  7. 子どもの体を守ること。しかし、子どもたちの魂まで踏み込んではいけない。
  8. コーチは子どもの心になること。しかし、子どもたちに大人のサッカーをさせてはいけない。
  9. コーチが子どもたちのサッカー人生をサポートすることは大切だ。しかし、自分で考えさせることが必要だ。
  10. コーチは子どもを教え導くことはできる。しかし、勝つことが大切か否かを決めるのは子どもたち自身だ。


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