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第三セクター鉄道一覧


第三セクターの鉄道一覧です。

【解説①:第三セクターとは】

第三セクターは、第一セクター(国および地方公共団体が経営する公企業)や第二セクター(私企業)とは異なり、第一セクターと第二セクターが合同で出資・経営する「半官半民」の企業体のことを指します。なお、国際的にはNPOや市民団体など、民間の非営利団体のことを指すため、日本での使い方とは異なる点に留意が必要です(日本では、これらの団体は「第四セクター」と呼称することが多いです)。

【解説②:第三セクター鉄道とは】

第三セクター鉄道は、次の6つの経緯により分類することができます。

  1. 国鉄再建法により、国鉄(JR)から経営が切り離された赤字ローカル線(特定地方交通線)ならびに日本鉄道建設公団の旧国鉄建設線(工事凍結路線)の経営を引き受けるために設立されたもの
  2. 整備新幹線開業に伴い、JRから分離された並行在来線区間の経営を引き受けるために設立されたもの
  3. 経営が悪化した地方のローカル私鉄の経営を引き受ける(赤字救済)ために設立されたもの
  4. 臨海工業地帯において、旧国鉄(現JR貨物)や沿線自治体・企業の共同出資で設立された臨海鉄道
  5. 主に都市・地域開発のための新線等の建設・運営の目的で建設されたもの
  6. 定義上、第三セクターとなるが、通常は第三セクターとしては分類されないもの

1.特定地方交通線・日本鉄道建設公団建設線からの転換

北海道ちほく高原鉄道(廃止)

旧池北線

三陸鉄道

旧盛線・宮古線・久慈線(一部建設線)

東日本大震災の復興を経て、JR山田線宮古~釜石間も編入。

秋田内陸縦貫鉄道

旧阿仁合線・角館線と、鷹角線(建設線)

由利高原鉄道

旧矢島線

山形鉄道

旧長井線

阿武隈急行

旧丸森線(一部建設線)

会津鉄道

旧会津線

野岩鉄道

野岩線(建設線)

わたらせ渓谷鐡道

旧足尾線

真岡鉄道

旧真岡線

いすみ鉄道

旧木原線

鹿島臨海鉄道

旧鹿島線(建設線)区間について大洗鹿島線に転換。

(鹿島臨港線は転換前から存在)

北越急行

旧北越北線(建設線)

のと鉄道

旧能登線区間は廃止。

JR七尾線の第二種鉄道事業者。

神岡鉄道(廃止)

旧神岡線

樽見鉄道

旧樽見線(一部建設線)

明知鉄道

旧明知線

長良川鉄道

旧越美南線

愛知環状鉄道

旧岡多線(一部建設線)と瀬戸線(建設線)

伊勢鉄道

旧伊勢線

天竜浜名湖鉄道

旧二俣線

北近畿タンゴ鉄道(旧宮福鉄道)

旧宮津線と宮福線(建設線)

信楽高原鉄道

旧信楽線

北条鉄道

旧北条線

三木鉄道(廃止)

旧三木線

若桜鉄道

旧若桜線

智頭急行

智頭線(建設線)

井原鉄道

井原線(建設線)

錦川鉄道

旧岩日線

阿佐海岸鉄道

旧牟岐線(一部)と、阿佐東線(建設線)

土佐くろしお鉄道

旧中村線と、宿毛線・阿佐西線(建設線)

平成筑豊鉄道

旧伊田線・糸田線・田川線

甘木鉄道

旧甘木線

松浦鉄道

旧松浦線

南阿蘇鉄道

旧高森線

高千穂鉄道(廃止)

旧高千穂線

くま川鉄道

旧湯前線


2.整備新幹線の並行在来線区間を転換

道南いさりび鉄道

北海道新幹線開業に伴い、JR江差線木古内~五稜郭間を転換。

青い森鉄道

東北新幹線延伸に伴い、JR東北本線目時~青森間を転換。

IGRいわて銀河鉄道

東北新幹線延伸に伴い、JR東北本線盛岡~目時間を転換。

しなの鉄道

北陸(長野)新幹線開業・延伸に伴い、JR信越本線軽井沢~篠ノ井間および長野~妙高高原間を転換。

えちごトキめき鉄道

北陸新幹線延伸に伴い、JR信越本線妙高高原~直江津間、JR北陸本線直江津~市振間を転換。

あいの風とやま鉄道

北陸新幹線延伸に伴い、JR北陸本線市振~倶利伽羅間を転換。

IRいしかわ鉄道

北陸新幹線延伸に伴い、JR北陸本線倶利伽羅~大聖寺間を転換。

ハピラインふくい

北陸新幹線延伸に伴い、JR北陸本線敦賀~大聖寺間を転換。

肥薩おれんじ鉄道

九州新幹線開業に伴い、JR鹿児島本線八代~川内間を転換。


3.私鉄路線を転換

万葉線

加越能鉄道高岡軌道線・新湊港線を転換。

えちぜん鉄道

京福電気鉄道越前本線・三国芦原線を転換。

ひたちなか海浜鉄道

茨城交通湊線を転換。

とさでん交通

土佐電気鉄道を転換。

現在はすべての株(100%)を沿線自治体が分散保有しているため、厳密な意味での第三セクターではないが、一般的に「公営企業」には分類されず、第三セクター事業者として扱われる。

養老鉄道

近鉄養老線を転換。

伊賀鉄道

近鉄伊賀線を転換。

くりはら田園鉄道(廃止)

栗原電鉄線を転換。

福井鉄道

経営再建に伴い、第三セクター化。


4.臨海鉄道会社

釧路開発埠頭(廃止)

八戸臨海鉄道

仙台臨海鉄道

福島臨海鉄道

秋田臨海鉄道(廃止)

新潟臨海鉄道(廃止)

鹿島臨海鉄道

大洗鹿島線は、国鉄の旧鹿島線(建設線区間)を転換。

京葉臨海鉄道

神奈川臨海鉄道

名古屋臨海鉄道

衣浦臨海鉄道

水島臨海鉄道


5.都市・地域開発

南部縦貫鉄道(廃止)

岩手開発鉄道

仙台空港鉄道

宇都宮ライトレール

埼玉新都市交通

埼玉高速鉄道

ゆりかもめ

東京臨海高速鉄道

多摩都市モノレール

東京都地下鉄建設

都営大江戸線と日暮里・舎人ライナーの建設。鉄軌道事業は東京都交通局に譲渡されており、現在は債権・債務管理を担う。

千葉都市モノレール

千葉急行電鉄(京成電鉄に事業譲渡)

現在は京成千原線。

東葉高速鉄道

北総鉄道

芝山鉄道

成田空港高速鉄道

第三種鉄道事業者として、成田空港高速鉄道線を保有。

成田高速鉄道アクセス

第三種鉄道事業者として、印旛日本医大~成田空港高速鉄道までの「成田スカイアクセス線」を保有。

首都圏新都市鉄道

つくばエクスプレスの運営。

横浜高速鉄道

みなとみらい線の運営、第三種鉄道事業者として東急こどもの国線の保有。

横浜シーサイドライン

金沢シーサイドラインの運営。

富山ライトレール(富山地方鉄道に吸収合併)

旧・JR富山港線の奥田中学校前~岩瀬浜駅間をLRTに転換。富山駅北~奥田中学校前間は新線。

名古屋ガイドウェイバス

桃花台新交通(廃止)

愛知高速鉄道

名古屋臨海高速鉄道

中部国際空港連絡鉄道

上飯田連絡線

京都高速鉄道(解散)

北大阪急行電鉄

大阪モノレール

泉北高速鉄道(旧・大阪府都市開発)

現在は南海グループとなり、第三セクターではない。

大阪港トランスポートシステム

関西高速鉄道

JR東西線の保有、JRなにわ筋線の建設主体。

おおさか外環状鉄道

おおさか東線の整備。

西大阪高速鉄道

阪神なんば線西九条~近鉄難波線大阪難波間の西大阪延伸線の保有。

中之島高速鉄道

京阪中之島線天満橋~中之島間の保有。

奈良生駒高速鉄道

近鉄けいはんな線生駒~学研奈良登美ヶ丘間の保有。

神戸新交通

神戸高速鉄道

広島高速交通

広島高速交通

北九州高速鉄道

広島高速交通

北九州高速鉄道

北九州モノレール(小倉モノレール)の運営。

現在は北九州市が100%株主となっているため、第三セクターではない。

沖縄都市モノレール


6.一般的に第三セクターとされない鉄道

形式的な第三セクターであって、一般的には民鉄として分類される鉄道。

富山地方鉄道

戦時中の富山県営鉄道・富山市営軌道の合併、および令和に入ってからの富山ライトレールの合併により、富山県・富山市も株主となっている。

島原鉄道

災害復旧に伴い、長崎県・島原市が一部出資。

京福電気鉄道(一時)

一時、一部の株式が相続税として物納されたことにより財務大臣が株主となったことがある。なお現在は解消されている。



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