「意識低い系」でも実践可能な断捨離について
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「断捨離」というと、どうしても意識高い系の高等遊戯に感じてしまい、かつ、ときには「ミニマリスト」の何もない部屋の風景が想起されてしまって、無駄にハードルが上がっているような気がする今日この頃です。しかし、本来は「断捨離」は市井のふつうの人々のQOLを高める手段であったはず。
そこで、「意識低い系」でも実践可能な断捨離について考察してみました。
■断捨離の目的
- モノで溢れてしまったために快適な生活動線が棄損されてしまった空間に余裕を持たせることで、快適な生活を取り戻すこと
■断捨離のミッション
- 言い訳をせず、「使えないもの」「もう不要なもの・今不要なもの」「要るか要らないか判断に迷ったもの」の順番に捨てる!
■断捨離のサイクル
- まず、明確なゴミ(使えないもの)を捨てる
インクの出なくなったペンなど、どう考えても使えないものをまず処分します。あれこれと考える前に「捨てられるものを捨てる」ことから着手すると、やる気が出てきます。
- 次に、もう不要なもの、今不要なものを捨てる
「使えるか、使えないか」でいうと、大半のものは「使える」ものです(反対に言えば、「使えない」のに取っておく必要はありません)。だから「使えるか、使えないか」で判断してしまうと、いつまでもモノが増えていく一方になるのです。ここでは、「(もう、または今)不要かどうか」で判断することをお勧めします。このとき、「とりあえず捨てないでおこう」「いつか必要になるだろう」という言い訳が出たら要注意。これは単に、「捨てたくない」というモノへの執着心理からくる現実逃避あるいは将来への根拠のない不安感情であって、本当に必要なものであればそんな言い訳は出てこようはずがないのです。
- 最後に、要るか要らないか判断に迷ったものを捨てる
自分自身が「必要なのか?」判断に迷うということは、おそらく「捨てるのに躊躇している」というだけであることがほとんどです。すなわち、これも「捨てたくない」というモノへの執着心理の1種でしょう。「せっかく買ったし」と思っても、それはサンクコストと割り切って、「5秒、判断に迷ったら捨てる」と基準を決めてしまうと、捨てられるようになっていきます。
■捨てるの?売るの?
-
スペースに余裕があればメルカリや古物商に売るのもよいでしょう。ただし、メルカリなどは売れるまでに半年かかるということもあるので、それまでにどこにそのモノをおいておくのか、という問題はあります。したがって、基本は「捨てる」ことからはじめたほうがよいでしょう。
■リビング・ダイニング
- 使えなくなった文房具
書けないペン、接着部が汚くなった付箋など
- 古新聞・古雑誌
- DM、チラシ
- 期限の切れたクーポン類
- 古い手紙類
2年以上前の年賀状、喪中葉書、暑中見舞いなど
- 聴かなくなったCD、見なくなったDVD
- 古い携帯電話の充電器
- AV機器周りの使途不明のコード類
- 枯れた観葉植物
- 使っていない花瓶
■和室
- 使わなくなって埃をかぶった小型家電
扇風機、サーキュレーター、赤外線ヒーター、布団乾燥機、加湿器、除湿器、空気清浄機、ロボット掃除機など
- 古くなった寝具
■寝室
■ドレッサー
- 汚れが目立ってきたメイク道具
スポンジ、ブラシ、ポーチなど
- 使っていない試供品
- 使っていないアメニティグッズ
- 数年前に買った化粧品
- 乾燥したマニキュア
- 特に使っていないアクセサリー
- 片方しかないアクセサリー
- 昨シーズンの季節化粧品
日焼け止め、リップクリームなど
■納戸
- 使わなくなってスペースを取っている健康器具
バランスボール、ヨガマット、ダンベル、健康椅子、腹筋ベルトなど
- 段ボールに入ったままの何か
- ゴミ袋に入ったままの何か
- 使わなくなった子どものおもちゃ
カート、ジャングルジム、トランポリン、おままごと用具、変身グッズなど
- 使わなくなってとりあえずおいてある小型家電
ラジオ、ポータブルDVDプレイヤー、ポータブルテレビ、ネット接続用のルーター、古いノートパソコン、プリンターなど
■収納スペース
- 消費期限や使用期限の切れた備蓄品
- 期限切れの薬
- 必要以上の紙袋
■ウォークインクローゼット
- 使用期限の切れた防虫剤や防湿剤
- 古くなった下着
- 汚れたり色褪せたり破損したりしている衣服
- サイズが合わなくなった服
- 揃っていない靴下
- 売ったり譲ったりするつもりで放置してある衣服
- 痛んだバック、帽子
- 買ったけれど1度も使用していないバック、1度も着ていない服
- 昨シーズンまたは今シーズンに着用しなかった衣服、手袋など
- 使用方法が分からない服飾付属品
■キッチン
- 汚れたふきんやスポンジ
- 欠けてしまった食器
- テイクアウトで受け取る、使い捨てのカトラリー一式
割り箸、フォーク・スプーン、ストロー、おしぼりなど
- 使っていない引き出物の食器
- 使っていない調理家電
ミキサー、フードプロセッサー、ホームベーカリー、コーヒーミル、炭酸水メーカー、自動砥ぎ器など
■冷蔵庫
- 賞味期限/消費期限切れの食品
- しなびた野菜
- 小分け調味料
醤油、わさび、紅しょうが、七味、山椒など
- 保冷剤
■洗面所
- 古くなった歯ブラシ
- 古くなったタオル
- さびた剃刀
- 使っていない洗剤
- 試供品の洗剤
- 活用していないオーラルケア用品
マウスウォッシュ、デンタルフロス、機能系の歯磨き粉・歯ブラシなど
- 活用していないホテルや旅館からもらってきたアメニティ
- 面倒くさくて使っていない美容グッズ
パック、マッサージオイル、ヘアアイロンなど
- 使っていない小型家電
電動歯ブラシ、電動歯間クリーナー、電動髭剃り、小型洗濯機、超音波洗浄機など
- 大量の洗濯ばさみやハンガー
■浴室
- 必要以上のシャンプー、ボディソープ
- 必要以上のタオル、ボディウォッシュグッズ
■トイレ
- 暖房便座機能
- 古くなった(汚れてきた)お尻洗浄装置
■玄関
- 履かなくなった靴
- 玄関マット
- 特に使っていないスリッパ
- 増え続けるビニール傘
- 靴の箱
- 使わなくなった子どもの遊び道具
ボール、砂場道具、水遊び道具、フリスビー、縄跳び、トンピング、三輪車、一輪車など
- ほとんど使わない趣味の物品
ゴルフバッグ、釣り道具、テニスラケット、サッカーボール、野球道具など
■ベランダ
- 観葉植物などのお手入れ品
じょうろ、シャベル、植木鉢、土、肥料など
■財布
- 使っていないキャッシュカード、クレジットカード
- 使っていないショップカード、会員証
- 期限切れの割引券
- 使用済みの引換券
- レシートや領収書
■カードケース
- 当面行くことのない病院の診察券
- スマホアプリで代替できる会員証やショップカード
■バッグ
- 何枚も入っているハンカチやタオル
- 何枚も入っているポケットティッシュ
- ほとんど使っていないペン類
- 駅などで買ったガムや飴、お菓子の残り
■コスメポーチ
- 大きすぎるブラシ
- ほとんど使っていないケア用品
毛抜き、ハサミなど
- 季節にそぐわないケア用品
リップ、日焼け止めなど
- 必要以上の綿棒やコットン
■名刺入れ
- 前の部署の名刺
- もらったままで数か月そのままにしている名刺
■オフィス
オフィスの断捨離は、コロナ禍によるテレワークの進展に伴うオフィスの減床(必然的に「モノの削減」に強力な誘因が発生する)、あるいは働き方改革によるオフィスのフリーアドレス化に伴う個人持ち荷物の削減(こちらも同様)、といった背景を元に、非常に必要性が高いトピックスとなってきています。
<モノの削減>
オフィスにおいてモノを削減するためには、まず「個人持ちする必要がないもの」を共通化することが第一歩となります。電子化できる書類を電子化することと合わせて、文房具やマニュアル類などを一か所にまとめることも有効です。このとき、さらに「倉庫」「ラテラル」など共用物品を収納するスペースの上限を決めてしまうことがポイントです。
<個人持ち荷物の削減>
個人持ち荷物の削減は、そのほとんどが「紙系のものをどう削減するか」という課題とリンクしてきます。「紙系のモノ」には、大きく分けて3つの系統があると言われています。1つが「書籍」です。会社で言えば、「課題図書」「参考書籍」「上司や先輩から勧められた本」などが所蔵されていることが多いのではないでしょうか。必要で手元に置いておきたい本は個人用のロッカーなどにおいておき、すでに手元に置いておく必要がない本は、適正に処分することになるでしょう(※書くまでもないことですが、会社の経費で購入した本を売って個人の利益にするのは背任行為ですから、廃棄することが望ましいです)。
もう1つが「資料」です。いくら「共通持ち」や「電子化」と親和性の高い業務のマニュアル類であっても、自分の参考のためにたくさん書き込みをしている場合はなかなか捨てることは難しいと思います。また、企画書作成のために収集した資料や、外部のセミナーでもらった資料、講演会や勉強会の資料など、一期一会の資料というのもありますので、十把一からげに「ペーパーレス」とはなかなかいかないところもあるでしょう。必要に応じてPDF化したり、個人持ちではなくチーム共用として保管するなどの工夫の余地はありますが、だからといって工夫にも限界はあるでしょう。ただし、「とりあえず捨てないでおこう」「いつか必要になるだろう」と思う場合は、それはおそらく捨ててもよい資料だといえるでしょう。
最後が、「書類」です。書類だけは、曖昧な判断基準で処分する/しないを決めることができないモノだといえるでしょう。すなわち、契約書のように必ず保管をしなければならないもの、会計書類のように法定で一定期間保管をしなければならないもの、プロジェクトの進行関係の資料など、一定期間は持っておかなければならないもの、そして回覧資料や校正資料のようにとりあえず処理したら処分しても問題ないもの、など書類の性質によって取るべき対応が異なるからです。もちろん、その中にあってもPDF化、電子化という工夫の方向性はあるのですが、これは個人レベルでできることというよりは、組織的な関与が不可欠になってきます。
■慣習
「みんながやっているから、なんとなく」「大変だけど、なんとなく」続けていることがあります。でもこれ、本当に必要なコトでしょうか?
- 年賀状
- 寒中見舞い
- 恵方巻
- バレンタインデー
- ホワイトデー
- お中元
- 暑中見舞い
- ハロウィン
- お歳暮
■ついついやってしまうクセ
モノにまつわる、ついついやってしまうクセ。これらをなくすだけで、モノを減らせるかもしれません。
- 無料のモノを貰ってきてしまう
ポケットティッシュ、コンビニやスーパーのカトラリー類、店頭の試供品、家電のカタログなど
- 「もったいない」から、なんでも取っておいてしまう
「要/不要」ではなく、「使用可能/不可能」という「使える基準」でモノを管理するので、モノが増えていく一方
- ストックマニア
洗剤、石鹸、ティッシュ箱、トイレットペーパー、防カビグッズ・・・大量のストックで物置がパンク!
■お金の使い方
お金の使い方そのものにも、断捨離のヒントが隠されています。「あまり神経を遣わずに」、しかし、「確実に」家計を守っていく方法を考えてみたいと思います。
まずは大前提として、「今後の収入見込み」と「支出見込み」を可視化しておきましょう。家計簿をつけていればおおよその出入りは分かりますが、もし無データであれば、直近の3か月くらいの平均
をざっくりと見えるようにしておきましょう。支出は、分解すると「流動費」と「固定費」に別れます。
<流動費>
まず流動費ですが、一般的に「やりくり」が必要とされるのはこの「流動費」です。食費や日々の生活に必要なお金が該当しますが、「10円」「20円」で右往左往してしまっては、
続くものも続きません。もちろん、無駄な出費(飲み物はなんでも自販機やコンビニで買うなど)は押さえるべきですが、より効果的な節約は「固定費」によって実現できます。
- <固定費>
固定費は、「ある決まった期間に一定の支払いが見込まれる費用」のことを指します。ここを押さえることで、大幅に家計の無駄を省くことができるようになるはずです。
▼光熱費
- 契約している電気会社・ガス会社をデフォルトから変更するだけで料金を下げることが可能です。
- 電気の場合は「契約アンペア数を下げる」と基本料金が下がります(ただしやりすぎるとブレーカーが落ちやすくなるので注意しましょう)。
- 電気代を節約するのならば、エアコンを切るよりも何よりもダラダラとテレビを見ないことが最も効果的です。
- ガスの場合はできるだけお風呂の「追い炊き」をしないことが重要です。家族が近い時間でお風呂に入るようにしましょう。またシャワーではなく「できるだけ風呂の湯で洗う」なども地味ですが効果的です。
▼水道代・下水道代
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「水は極力使いまわす」ということが重要です(多くの自治体で、水道使用量と比例して下水道使用料も掛かる仕組みになっています)。風呂の残り湯を洗濯、花木の水やりに使うことは、水道代節約の基本中の基本です。
- もっとも水を使うトイレは、「大」でも極力「小」で流すことがよいでしょう。
- 小さな子どものいる家庭では子どものトイレの後に流さずに、大人がそのまま使うといった方法もあります。
▼通信費
- キャリアの割高のプランを契約する理由はほぼありません。今どきMMS優先である必要もないでしょう。特に家にWi-Fiがある場合は、外で大容量の通信をしない限り、容量最低限のプランで十分です。
▼サブスクリプション・サービス
-
初月無料で契約したまま放置していたり、何となく加入したままになったりしているオンラインサービス。「1か月使っていない」ものは、基本的に「もう使わないもの」です。この機会に断捨離してしまいましょう。
▼習い事代
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成果も感じられないのになんとなーく払い続けている塾や通信教育、ジムや習い事のお金。惰性化しているものは、「サンクコスト」と割り切り、すべて見直しましょう。
▼新聞・テレビ代
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新聞やNHKは他のコンテンツ産業と比して明らかに割高感の高いメディアです。生活リズムと照らし合わせて不要と判断したら、契約を見直す、というのも選択肢の1つです。
-
ちなみに、テレビの受像機(ワンセグ含む)そのものが物理的に家になければ、
現行法上はNHKの契約は不要になります。「チューナーレステレビ(要するにネットにつながるモニター)」は、NHKは見ないが「大きな画面」が必要な人の有効な選択肢となるでしょう。
▼住宅関連費
- 賃貸の場合
:よく、「更新時に家賃交渉をする」という手を見るのですが、現実問題としてそんなに簡単にはいくまい・・とは思います(大家にも生活があるし、心証もよくないので)。ただ、「転居費用」「敷金」「礼金」「仲介手数料」などを加味してもよりよい条件があればそちらへ移ることは常に考えておいてよいでしょう。
- 持ち家・ローンアリの場合:ローンの借り換えの情報を常に収集しておきましょう。
▼保険料
- 掛け捨て中心に、高すぎないかどうか見直しましょう。また保険料は「年払い」にする(安くなる)、「クレカ払い」にする(ポイントが溜まる)、など様々な
「隠れお得オプション」がついている場合があります。一度確認してみることをお勧めします。
▼自家用車の維持費
- 万単位になる駐車場代、車検代、保険代、税金などの維持費、またガソリン代などを含めると、自家用車が「金食い虫」であることは否定できません。
車を手放すと、それだけで年間数十万円の節約となることもあります。今はカーシェアやレンタカーなども充実してきています。
タクシー利用のほか、近所ならば「電動自転車」で代替するという選択肢もあります。本当に車を「所有」する必要があるのか、検討してみましょう。
▼クレジットカード年会費など
- 「初年度年会費無料」や「年〇回使えば年会費無料」といったクレジットカードの年会費を間違えて支払っていませんか?もし使っていないがお金だけ引き落とされているカードが
財布の中や家の中のカード置き場から「発見」されたら、「解約」するか、ただちに「会費無料」のカードに切り替えを行いましょう。
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