地震の際に、埋め立て地など地下水位の高い砂質の地盤が、振動によって液体状になってしまう現象です。砂質の地盤の上に構築された水より比重の大きな構造物(舗装、建物)が傾いたり倒れたり沈んだり埋まったりするほか、水よりも比重の軽い地中の構造物(下水管のマンホールなど)が浮き上がったりするなどの被害が出ます。
埋め立て地、砂丘、三角州、河川や池沼跡、水田跡など、含水状態の砂質土上に人工的に築かれたり、改変されたりした土壌で発生します。砂質土や砂地盤は、砂の粒子同士の摩擦により通常は地盤が安定しています。しかし、地下水位が高い場所で地震などの大きな振動が加わると、砂同士のかみ合いが外れることで構造物を支えていた地盤が急速にゆるくなり、支持力を失ってしまいます。これが液状化です。
2011年の東日本大震災は、液状化という観点でも東日本の各地に大きな被害をもたらしました。ここでは、千葉県浦安市を例に、液状化の実例をみておきたいと思います。
店舗の入口に大きな段差ができてしまい、土嚢で段差を埋めている図。
店舗入り口に渡り板をおいて人が通れるようにしている。ブロックの倒壊具合が被害の大きさを物語っている。
建物と道路との間で、数十センチ規模の段差が十数メートルに渡って続いている。
通路に生じた大きな段差を、いったん砂利で仮復旧している。
激しい液状化により、歩道に陥没が生じてしまっている。
歩道と建物との間に生じた大きな段差。
カラーコーンの多さが非常時を物語っている。よくみると電柱も傾いている。映っている車はバキュームカー。おそらく液状化によって下水道などのインフラもストップしている状態と思われる。
道路の陥没が激しく、応急的に各所にカラーコーンで立ち入りを規制していた。
大きく傾いたエレベーター。
正面から見ると、地面の沈降具合がよくわかる。
構造物と歩道との間は、ほぼ陥没状態。
傾いたバス停の看板。ひび割れた歩道のタイルも痛々しい。
従前はおそらく平行だったと思われる通路。斜めにスライドしてしまっている。
所々で凸凹に隆起している歩道。
マンホールの部分がせりあがっているのがわかる。
夥しい量の砂が噴出している。
道路が砂で埋まったロータリー。
このページの写真は、管理者撮影のものです。液状化現象の実態、そして震災の記憶をしっかりと記録に残すために掲載しました。
浦安市は「浦安震災アーカイブ (urayasu.lg.jp)」というページを公開しています。激しい液状化被害の実態を記録しているページです。ここに特記いたします。