「ドラえもん」に8年ぶりとなる新刊、「ドラえもんプラス6巻」が出た。
読んでみて改めて思ったことは、「ドラえもん」のストーリーの見事な起承転結、である。
基本パターンは、ご存知の通り
のび太が泣きついて(起)
ドラえもんが道具を出して(承)
思いもよらぬ使い方をして(転)
思わぬ失敗(結)
ということなのだが、一貫して「バカとはさみは使いよう」ということを訴えていることに気づいた。
ドラえもんって、ストーリーで読ませる漫画なんだな、と改めて思った。「笑い」「感動」「風刺」はその過程での付加生産物。
古今東西語り継がれてきた膨大な寓話や物語を(作者の思考体系の)下敷きとして作られた「ドラえもん」というのは、きっと「読みやすく、わかりやすい」お話のお手本のようなものなのである。
今は勢いとノリと雰囲気とキャラさえあればいいってなてしまう感じで、なんとなくそういう空気感に生きてきたけれども、久しぶりにハッとさせられた。
大人こそ、これを読んで「読みやすく、わかりやすい」ってどういうことなのかを学ぶべきなのだ。
141205