今年の葉書の大幅値上げ(63円→85円)を以て、実質的に年賀状は全国的かつ本格的な「仕舞い」の方向に向かったといってよいだろう。
年賀状の需要のうち、「出していなかった人に出す」「出さなくてもよい人に出す」・・・義理の需要(返報性の原理を利用)はいかほどのものだろうか。まずはここの需要がほとんどなくなっていくことだろう。
さすがに85円ともなると、「出していなかった人には出さなくてもよいや」となるだろうし、その前提として、「あの人に、『出していないけれど出さなければ』と90円近く出費させるのは忍びない」という思考もはたらくだろう。とにかく、85円というのはこれまでの義理が揺らぐ金額であることは間違いない。
私も10数年前までは150通くらいやり取りしていた年賀状だが、虚礼廃止・デジタル化の進展で、ここ数年は20通程度(最盛期比ー86%)に落ち着いてきた。来年は「出さなくてもよい人には出さない」ことをしっかり折り込み、「元旦に相互のやり取りがあった人」だけに出すようにしようと決めた。これで、さらに通数は減るだろう。
そもそも、「出していない人に90円近く出費させる(インク代や写真代を含めるともっと多い。コンビニに買いに行かせてしまう可能性も考慮したい)」「新年早々、見たくもない写真を無理やり見せつけてしまう(土足で踏み込む)」等々の不義理をしているのではないかと考えると、もはや「年賀状を出すほうが失礼なんじゃないか」という気さえしてくるのである。
もう少し様子を見たら、次は本当の「年賀状仕舞い」だ。
2024年1月9日記す