メタ思考、アナロジー思考、抽象化思考。一般的に「賢い」とか「頭がいい」とされていいる人の思考方法は、要するに具体と抽象の世界を行き来して、物事を俯瞰的かつ大局的に捉えるというところにあります。
この思考法の優れているところは、全体像を捉えられるので部分最適ではなく全体最適で考えやすい、課題を個別の打ち手ではなく全体の枠組みの設計から捉えられるので根本解決がしやすい、常に解決思考・未来志向なので物事を推進しやすい、など枚挙に暇がありません。
いわゆる「プログラミング思考」というのも、広い意味でこの抽象化思考と言えるでしょう。プログラムそのものが、物事の解決方法の数値化・言語化・抽象化そのものだからです。
このような思考法を子どものうちから鍛えるにはどうしたらよいか。私がお勧めするのは、何と言っても「ことわざ」です。
ことわざは、世の中の様々な出来事に対する教訓や戒め、留意点を、まさにアナロジーによってメタ認知に次元を上げてくれる人類の英知です。
小さいうちからこどわざに親しむことによって、間違いなく、その子のメタ認知能力は鍛えられるのです。
お勧めは、くもん出版の『ことわざカード』を与えてみて、ことわざそのものに興味を持たせることからはじめることです。我が子が3歳のときに(蚊に刺されてけがをしていた)、公園の遊具で頭をぶつけたときに、「これが泣きっ面に蜂だね」と叫んだときは、「ことわざって凄い」と本気で思いましたからね。
そのうちひらがな(できればカタカナも)が読めるようになったら、小学館の『ドラえもん 国語おもしろ攻略 ことわざ辞典』を与えてみましょう。1ページに1つ、ドラえもんの四コマ漫画でことわざを紹介する形式になっており、楽しみながら自然とことわざを覚えることができる優れものです。
現在は改訂新版になっていますが、初版は1991年ですから、優に30年以上のロングセラーです。どれだけ読み継がれてきているか、これでわかるでしょう。(1分200字くらいのペースで)一人読みができれば、4、5歳くらいからでも十分に楽しめるはずです。
ドラえもんの学習漫画シリーズは非常に内容がしっかりしているので(しかもちゃんと面白い)、一人読みができなくても、まずは「読み聞かせ」をしてあげてもよいかもしれません。最近のお勧めは、『ドラえもん はじめての数え方』です。こちらの初版は2018年と最近ですね。
2022年8月20日公開