本来であれば東京オリンピックだった7月23日。現実は、「東京の新型コロナ感染者数がはじめて300人の大台を突破した」不穏な四連休初日となった。
誰がどう見ても第2波の感染爆発がはじまっている最中、もはや「あの時の緊急事態宣言は何だったんだ」というほかない、恐るべき静けさの政府。それでいてまさかの「旅行へ行こうキャンペーン」の全国展開。あれだけ同調圧力に任せて自粛させておいて、この期に及んで正に無為無策。
正に「戦時下」、何でもありの大混乱ぶりだが、その中で、国民が怒髪天を衝くべき、衝撃的なニュースがひっそりと報道されているのである。
■景気後退、正式認定へ 戦後最長ならず―内閣府(時事)
■「景気後退」認定へ、戦後最長ならず 回復は18年10月まで(日経)
要するに、景気は2018年10月から後退局面に入っていた(不景気になっていた)という、市井の人々なら誰でも「知ってた」というようなことが、今更報道されているわけだ。
2019年10月には、景気が拡大しているという前提で「消費税」が10%になったはずである。しかし、実態はどうか。不景気なのに、消費税は増税されていたということになる。これはさすがに、導入の根拠というか、説明が違うと言わざるを得ない。
以前も書いたが、消費税導入直後の2019年10-12月期のGDPは、(コロナの影響前である)すでに年換算で-6.3%という惨憺たる数字となっている。コロナの直撃を受け切っていない1-3月期が-2.2%減、そしていよいよ、コロナが直撃した4-6月期の発表が控える。おそらく、目を覆いたくなるような数字になることは疑いない。
ここへきて、「実は、消費税は不景気なときに増税しちゃいました」という告白である。ただ一言、「ふざけるな」としか言いようがない。どうやら増税のタイミングは、最低最悪の時期となってしまったようだ。
さて、今は戦時中である。
安全なところから発出される大本営発表は常に生活実感と乖離しているので、圧倒的大多数の物言わぬ国民は、政府の発表に「そんなことないべ」と鼻をほじりながら、財布のひもをしっかりと結び、給付金を貯金し、旅行にも行かず(だいいち、職場で感染第一号になるリスクを考えたら、呑気に旅行に行ける層は限られてくるのである)、居酒屋にも行かず、ただただじっと「時が過ぎるのを待」っているのであった。
公開 2020年7月23日