明らかに異常事態なのに、「緊急事態宣言」が出し渋られている。
「緊急事態」と「都市封鎖」が混同されたことで、社会的混乱を何としてでも防ぎたい政府が余計に出しにくくしているのか。新年度だから避けているのか。経済への影響を恐れているのか。
「要請でそれなりに統制がとれるから、まだいいや」というのだったら、ひどい忖度社会である。そんな忖度に甘んじるのもいい加減にしろ、という話。
国は黙っていても税金が入ってくるからよいが、自粛に求めることで、保証もなしに業務をシュリンクさせざるを得ない民間の立場にもなってみろ。
「あと1週間、2週間」といって、すでに1か月以上たっているではないか。中途半端な期限設定で、何度も何度も「自粛」を要請して、「コロナ疲れ」というより、「振り回され疲れ」でもある。
誰もがこの「戦時体制」で「精神的疲労」を感じている。もちろんコロナが憎いのだが、精神的疲労は人災の側面が多分にある。
どのみち、感染爆発を防がなければ経済は崩壊するのだ。「鶏が先か、卵が先か」の議論である。
経済は「金」だけで動くのではない。「人」がなければ動かない。その「人」が未知の病に侵されているのだから、まずは「人」を正常にしていかなければ。
もはや「ソフトランディング」を期待する状況ではない。あれほど「自粛」を求めて、結局、感染拡大は防げていないのだ。どう転んだって、「痛み」を伴う。
それを訴えてこそ、為政者ではないのか。
2020年4月1日公開