前編の続きである。
すなわち、「テレビゲームで感動した瞬間」を紡いでみたいと思う。たぶん、ほとんど任天堂、しかもマリオが出てくるんだろうな、ということに気づいた(ここを書いている時点では何が出てくるかわからずに書いている)。最初に書いておくが、やはり任天堂はすごいと思う。
■スーパーマリオブラザーズ
これまで黒い画面が中心だったゲームが「青い空」になるだけで、ここまで気分が爽快になるとは。キノコでデカくなる、フラワーで<ゴルフウェア(当時はゴルフウェアに見えたのだ)>になって手から火が出る、スターで忍者になる(当時は無敵の忍者に変身したと思っていたのだ)、隠れキノコで1UPする、ツタで雲の上まで行ける、Bダッシュで穴から落ちない、クッパを溶岩の底へ突き落す・・・はじめてプレイした時の感動は、今も克明に思い出せる。世界のアクションゲームのテンプレートだ。これを超える伝説的ゲームはもう出てこないだろう。
■スーパーマリオブラザーズ3
今まで「一度進んだら戻れない」のがデフォルトだったが、なんと「今来た道を戻れる」・・もうそれだけで、大感動したことを鮮明に覚えている。しっぽで空を飛ぶ、カエルに変身する、くつをはける、笛でワープができる、キノピオがアイテムをくれる、コクッパ(当時はクッパの子どもという設定だった)が7人もいる・・・何というか、完全にぶっ飛んでいる。マリオの横スクロールゲームの完成形だと私は思う。
「マリオブラザーズ」で遊べるのもいいね。「ゲーム内ミニゲーム」の嚆矢だ。
■スーパーマリオランド
ゲームボーイのマリオ。ノコノコかと思って踏んだら、いきなり爆発した。ゴールでスロットゲームができる。UFOあり、モアイ風あり、中華風あり。ラストボスはなぜかシューティング。いろんな意味で個性的だったし、小さな画面でもずーっとハマっていられた。「山椒は小粒でもぴりりと辛い」という言葉がぴったりの、印象深いゲームだった。
■スーパーマリオワールド
まず画面が綺麗ね。ファミコンとの「格の違い」を感じた出だしであった。しかもヨッシーというかわいいキャラね。これに乗れるというのがまず衝撃。マントで空を自由に飛べるのもうれしかったな。ゴール前の「ブル」が強かった。そうそう、各面のボスを倒した時の「アニメーション」が楽しみだったなぁ。「中間ポイント」という仕組みも画期的だった印象。
■FーZERO
私の父がこれを見て、「目が回る」といって、結構好きだったテレビゲームから退いた作品。スピード感がファミコンのそれを圧倒的に凌駕したソフトだったと思う。
■マリオペイント
「マウス」というものにはじめて触れたゲーム。絵を描いたり、ミュージックを楽しんだり(おかまの音が面白くておかまだけの音楽をつくった思い出)。DTMの走りだよな、と今にして思う。非常に知的好奇心をくすぐられたゲーム。そうそう、「ハエ叩き」もはまったな。
■スーパーマリオカート
これ、めちゃくちゃハマったソフトだ。全国でアツい戦いが繰り広げられていたに違いない。アイテムを戦略的に使うことでレースを制することのできる仕組みは画期的だった。数あるレースゲームの中でも操作性が抜群。
■星のカービィ 夢の泉の物語
ゲームボーイの初代カービィも大好きだが、本文の趣旨でいうとこちらを挙げておこう。敵を吸い込むことでその能力をコピーできるというのは実に面白いアイデアだった。内容的にもファミコンの限界ということが分かるくらい詰め込まれていて、その点にも感動したソフト。
■スーパーマリオコレクション
「マリオ1、2、3、USA」のリメイク版。ファミコンでおなじみの画面が、驚きの「美麗化」で大感動した。セーブ機能があるのが特徴。おかげで、何度も何度も好きなコースを楽しむことができたのだ!
■スターフォックス
「3D」「ポリゴン」におそらく初めて触れたソフト。平面のシューティングしか経験のなかった身にとって、「奥行き」のある世界は感動ものであった。
■スーパードンキーコング
スーパーファミコンの底力を感じたソフト。画面が美しすぎてオープニングから「うおお」と叫んだ。「ジャングル感」を感じてハマった。レア社のグラフィックの「アメリカ感」も憧れであった。
■スーパーマリオ ヨッシーアイランド
「ポリゴン」「美麗グラフィック」ときて、なんと「パステル調」。すごい時代を生きているなぁと、感動した記憶がある。かわいさとは裏腹に骨のあるゲーム内容で、コースの謎解き(コイン集めなど)も難易度が高かった。
■スーパーゲームボーイやゲームボーイカラー
白黒が当たり前と思い込んでいたゲームボーイのソフトをカラーで、しかも(スーパーゲームボーイの場合は)大画面でプレイできたときの感動は、今も覚えている。ゲーム画面に「落書き」ができたのもよい思い出だ。
■スーパーマリオRPG
これ、「マリオ系RPG」の最高峰に位置するソフトだと思う。任天堂とスクウェア(当時)がタッグを組んで送り出しただけあって、また「スーパーファミコン末期」というテレビゲームのまさに爛熟期でもあって、ゲームの内容・難易度・質ともに最高品質といえた。クッパをパーティに入れられるというのは、マリオファンにとってたまらない「ごほうび」。ゲーム内も、随所にメタ要素(※)がちりばめられており、どこか客観的なあ雰囲気の漂う「オシャレな」マリオであった。
※村の住人がマリオに「有名なジャンプを見せてよ」とせがんだり、ゲーム内でファミコンの地上面のBGM(ブッキータワー)やFF4のボスの曲が流れるシーン(対クリスタラー戦)があったり、とメタ要素抜群なのであった。
■スーパーマリオ64
言わずと知れた、3Dアクションの始祖、箱庭型3Dゲームの元祖にしてオープンワールドゲームの嚆矢である伝説的ソフト。ただもう、「!」である。十字キーから「3D(さんでぃ)スティック」に操作体型が一新されたこと、「Cボタン」でカメラワークを変えられることにも感動した。
今プレイしてみると、ポリゴンがまだ「初期」の雰囲気ぷんぷんなのだが、不思議と当時は何も感じなかった。これも時代なのだろうか・・・
■ファイナルファンタジー7
ムービーがすごい!音楽が格好良すぎる!そしてこの没入感!ストーリーも含め、「新時代」を実感させるに十分のソフトであった。今見るとポリゴンの粗さが目立つのだが、こちらも不思議と当時は何も感じなかった・・・
「マテリア」の組み合わせで魔法を出したり、プレイヤーのステータスを変更できる仕組みは画期的であった。ゲームの「見てくれ」だけに注目が行きがちであるが、その実、システムもシリーズの中でも高レベルのものであったことは特に付記しておく。
■マリオカート64
「汽車が踏切を横断する!」「高速道路をマリオたちが逆走!?」というキャッチ―な画面だけでわくわくしたものだ。こちらも滅茶苦茶ハマった記憶がある。
■シムシティ2000
自由気ままに街づくりができる。こんなに面白い暇つぶしがあるか!
■メイドインワリオ
ボタン1つ、時間は数秒。ミニゲームの寄せ集め。軽薄短小の時代にぴったり。面白かったです。
■ニンテンドーオールスター 大乱闘スマッシュブラザーズ
任天堂キャラの格闘ゲーム・・・ありそうでなかったこの発想。マリオとピカチュウ、カービイにリンク、フォックスまでが肉弾戦を演じることになろとは・・・。どうでもいいが、ボスの「マスターハンド」が強すぎるのである。あれには手こずった。「手」なだけに。
■ニンテンドーDS
当時はまだ「タッチパネル」が浸透しつつある時代であった。だから、触るだけで反応する・・こんな面白いゲームがあるんだ、とまずファーストタッチで感動した記憶がある。
■新・光神話 パルテナの鏡
「これでもか」とボリュームたっぷりのアクションシューティング。ニンテンドー3DSの「奥行き感」を最大限に表現したソフトの1つだと私は思う。当時の任天堂ではたぶん相当に珍しい、まさかのフルボイスというのにも驚いたものだ・・・。
■ファミコンリミックス
メイドインワリオのファミコン版と思えばよい。ファミコンソフトの名場面がちょっとシュールにアレンジされていて笑えるやら、難しいやら。マリオだけでも「連続1UPしろ」とか、「3人に増えてゴールしろ」とか、「なんじゃそりゃ」というのばかり。楽しかったな。
■スーパーマリオメーカー for Nintendo 3DS
当時はWii Uを持っていなかったので、3DS版の「スーパーマリオメーカー」を購入。マリオ、マリオ3、スーパーマリオワールド、最新のマリオ・・・と、4つのマリオのコース(地上面、地下面、水中面、お化け屋敷、城・砦、飛行船)を自由に設計して、しかも実際にプレイができるという、マリオファンにとって夢のようなソフトである。これも非常に楽しくプレイすることができた・・・
■マリオカート8
まずね、「HD画質」のゲームがこんなにもきれいなものかとお兄さんは驚いたね。いつの間にかバイクやら、反重力走行やら、わけのわからん進化を遂げているのも一興。手放しで喜んでプレイしたね。
・・・と、これほどの感動をもらって今の私があるわけである。今の子どもは、例えば「スーパーマリオブラザーズ」ではレトロ趣味的な楽しさは見出すだろうが、「私は今、大冒険をしている!」という感動は覚えないのだろう。しかしきっと、次の世代のゲームで、私が初期のマリオで感じたような「驚きと感動」を持ち得ているのだと信ずる。
そしてここまで書いてきて改めて思うのだが、任天堂はやはりすごい会社である。世界最大のゲーム機メーカーにして、最強のソフトウェアメーカーでもあるのだということを、改めて感じるのである。
夢と感動をありがとうございます。
公開:2017年5月12日