日本社会の発展(衰退も含む)に貢献してきたご老人。もちろん敬老の精神を以て接するのが当然であり、普通の状態であればン万円もする年金保険料を黙って払うし、優先席だって(たとえ電車に駆け込んで乗ってくるくらい元気でも)お譲りするのだ。
だが、以下に挙げるような図々しい「老害」はどうか。一度ブチ切れてみたくもなるというものだ。
こうなってはいけないという自戒を含めて、ありのままを記録する。
ドキュメンタリー、「図々しい老害事件簿」の開幕である。
■公共図書館編
「公共図書館は、大変」と聞いたことがある。
比較的「民度が高い」と言われている自治体でも、雑誌の切り取りは日常茶飯事。それによって購読停止というケースはよく見かける。館内を見ていると「切り取るな」を筆頭とする本当にレベルの低い注意書きが多く、そんなのに日々応対する図書館員には心底同情する。たぶん、このテーマだけで新書1冊は書けると思う。タイトルは『民度の低い日本の図書館 司書の悲鳴365日』でどうか。買うぞ。
もっとも以下の事例を見ると、それも「むべなるかな」と思うのだ。
某市の「中央図書館」では無料名画上映会を定期的に開催している。
そこに夫婦で参加した時のことだ。
まず、開場が5分ほど遅れ気味だった。静かに列に並んでいると、我慢できなくなったババアが一言、「なんでそんなに時間がかかるの?理由を教えてくれる?」と側にいた職員に詰問していた。いや、タダで見るんだから少しは我慢しろって。まずここで「何だこれ」と思った次第。
ようやく開場。妻の後ろの席に座った別のババア。いきなり妻に向かって「あなたの背が高いのでかがんでもらえませんか」と放言しやがった。妻も驚いたようで「映画の間中、ずっとかがんでいるんですか?」と応酬。トイレから戻ってきた私は、それを聞いて思わず「ずれて座ればいいじゃんね。アンタの分の税金も払ってるんだからさぁ」と独り言を言ったとか、言わないとか。妻がヤンキーみたいな風体だったらお前、何も言えねぇだろ?と。人様を舐めやがって。ここでも「何だこれ」である。
そしてその帰り。あるジジイが「字幕が見えづらかった。ワイド画面にはできないの?」としつこく職員に食い掛かっていた。もうね、眼鏡を買えって話なんだ。またしても「何だこれ」。
・・・わずか1日でこの調子である。思わず会の終りに(あれこれ食い下がられていた気の毒な)職員さんに声をかけてしまった。「大変でしたね、いつもこんな感じなんですか?」と。聞くと「いろいろな方がいらっしゃるので・・・」と多くは語らず、苦笑いしていらした。はっきりは言えないだろうが、まあ、いつもこんな調子なのだろう。
ちなみにこの図書館、夏場になると映画上映中に「うちわ」を無料で配っている。アナウンスでは「暑いという声が多いので」と言っていて驚いた。いやいや、暑さ調節くらい自分でやれって。どんだけ過保護なんだ、と。冬は毛布か?
何というのですかね、こういうの。あとで少しだけ触れるが、少しでもお金を取って「変な奴」を寄せ付けない仕組みをつくらないといけないのではないか、と思った次第。
もっとも図書館法第十七条を紐解くと、
「公立図書館は、入館料その他図書館資料の利用に対するいかなる対価をも徴収してはならない。」
という条文があるのだ。うーん・・・
しかし、映画の上映という「資料を使った付加サービス」については、「複写」のように「対価」をとるべきなのだと思う。行政側も「サービスを受ける人」を選別(※)してもよい。
こんなわけのわからん老害のために時間(すなわち税金だ)を割く必要など、ないのだ。
※補足
最近、大手電機店などは「スマホ初期設定○万円」「ツイッターを使える設定○千円」などの「サービス」を行っているケースが多い。これは「情弱をだまして簡単なことにお金を取っている商法」というよりは「なんでもかんでもタダでサービスを受けようとする輩を予め排除する」という意味合いのほうが強いのだ。
類似のケースとしては、観光地のコンビニの「道案内お断り」とかもそう。どうして金も払わない客に時間を割いてタダで道案内をするんだ、という話。
図書館でも、タダで映画を観ておいて「待てない」だの「見えない」だの「暑い」だの、「うるせぇ」と。待てないなら優先入場料150万円、見えないなら特大ルーペ代1億円、暑いなら氷の椅子設置費用2000万円、と相手を黙らせるくらいの金をとるべきなのだ。今の老害共はバラマキ高福祉に慣れ切って、「サービスはタダ」と思い込んでいる老害が多すぎる。あれか?日本もチップ制に移行するか?ん?
■グリーン車編
JR東日本のグリーン料金は劇的に値下がりし、過去の「2等車」の風格はもう消えた。今や、「金を出せば座れる車両」という意味にしかなっていない(実際は満員の場合でも金をとられる)。私ですら、仕事やレジャーでグリーン車に乗る機会も増えた(現時点で片道1時間半以上の遠距離通勤をしているので、なおさらだ!)。
話はもっと逸れるが、訪日する外国人が「GREEN CAR」の文字を見て「???」になっている光景を頻繁に見かけるようになった。そりゃそうだよ、「緑の車」だもんね。でも「何となく普通に乗ってはいけない車両」という雰囲気は察するようで、結局間違えて乗っているところは見たことがないが・・もうこの際、名称を「スーパーシート」とか「プレミアシート」にしたらいいのに、と思うけれどな。
って、そんな話ではない。グリーン車の大衆化についてであった。
すると畢竟、「変なの」も混じってくるわけで。以下の例を挙げてみたい。
その1。
2階に乗っていた。奥にババアの声。巡回してきたグリーンアテンダントを呼びつける汚い声。
「この電車が鎌倉に着く時間を教えてくれる?」と。まあ、数百円ちょっとのサービスのくせして「自分で調べろや!」と私なんかは思ってしまうのだが、これくらいは(スマホもないんだろうし)許容範囲としよう。
するとしばらくたって、「鎌倉に着いたら、荷物が重いので1階まで運んでくれない?」ときたもんだ。私はびっくりして、思わずそのババアの方を向いてしまった(見えなかったが)。
赤帽のつもりか。
そもそもアンタ、その重い荷物を2階に運んだんじゃねぇのか、と。
グリーン車には平屋(1階)もある。最初からそこに座れよ、という話なのだ。
続きがある。
アテンダント「私は東京で交代してしまうので・・」と丁重にお断り。
ババア「じゃあ、いいわ」(何様だ)
アテンダント「後任に伝えておきますね」
ババア「あまり無理しないでね。ダメなら自分で が ん ば っ て おろすから」
もうね、何様だと。
本当にね、数百円ぽっちで偉そうにしやがって。
その2。
今度は妻と出かけていた。後ろにはババア2人組。優雅に席を4つ使っている。
妻は「おろしますね」と断りを入れて、席をリクライニングさせた。それも全開ではないのだ。少し。
ババアの声「下げ過ぎ!」 でかい声。
ハァ???
そりゃ、前の奴がいきなりリクライニングしてきて全開にしてきたら「下げ過ぎ」と思わないこともないが、声に出していうことじゃねーだろ、と。貴様はどんだけ図々しいんだ。
妻がヤンキーみたいな風体だったらお前、何も言えねぇだろ?と。人様を舐めやがって。
大嫌いなのだ、こういう図々しい老害。しかもたいてい、「自分より下の奴」にしか言わないんだろ。僕知ってるもんね。図書館のときとまったく一緒じゃないか、この下衆な精神構造野郎がよ。
***
ということで、わずかな事例を挙げてみたが、思い出すだけでむかっ腹が立つ。
こんなクソ老害のために年金を払っているのかと思うと、給与明細を見るたびに泣けてくるのだ。自分は一種の、老人のための奴隷だ、とね。
でもそのたびに、「そうではない大多数の日本社会の発展(衰退も含む)に貢献してきたご老人のために、年金を払うのだ。」と思って自分を慰めるのである。
日本社会の発展(衰退も含む)に貢献してきたご老人。もちろん敬老の精神を以て接するのが当然であり、普通の状態であればン万円もする年金保険料を黙って払うし、優先席だって(電車に駆け込んで乗ってくるくらい元気でも)譲るのだ。
公開:2016年8月29日