「何か疑問点があった時、取り敢えず検索サイトで検索する」のがごく一般的な行動となって15年くらいだろうか。
以前は「公式サイト」が引っかかることが多かったので情報の出どころにまだ信憑性があったのだけれど、ここ数年、「Wikipedia」と「まとめサイト」もしくは「知恵袋」、「アフィリエイト用に作られた情報羅列サイト」ばかりがトップに引っかかるようになってしまった。
少し、「検索する」ことに嫌気がさしてきたのも事実だ(開いてもすぐに閉じる「そっ閉じ」率が高くなり、検索サイトを使用することそのものへの動機が減っている)。
私の「ドラえもん研究」の記事ですら、ごく一部分だけが切り取られ、他の誰が書いたか知らない雑多な記事の<1パーツ>としてまとめられている状況である。このサイトのものは別に好きに使っていいとは言っているが、何だかねぇ・・「ほかに書いてあること」をそのまま載せたところで虚しくないですかね?なんて。
特定の情報を切り取る(広義の編集作業)のにもセンスがあって、そういうのをつくるのに労力がかかることは知った上でいうが、それでも、まあ、自分で一から生み出すよりはお手軽だよねー。ここに金もうけ臭があると、どうも、、、
だいたい、これらのサイト群の中で情報がぐるぐるぐるぐる・・とロンダリングされているので、真にネットしか使わないでいると、知らず知らずのうちに偏った情報だけで生活することになる。これは知的な生活をするうえでマイナスでしかない。
検索サイトの「役立ち度」は、残念ながら、相対的に落ち続けているというのが実感だ(「必要な情報を得る」という本来の目的に立脚すれば、新たな機能が云々ではなく、検索性という意味で絶対に便利にはなっていない)。情報の質・信頼度という点では、オールドメディアたる図書館や新聞からはいつまでも離れているし、どんどん離されているように思う。
検索クロールのアルゴリズムが研究されまくっているので、今のままであれば、検索上位には金儲け目的の情報ばかりが延々と並ぶことになるだろう。そしてある日突然、検索サイト全体のリーチ率が一気に下がる(検索バブルが崩壊する)ことを予想しておく。
もっとも、当の検索サイト側(例えばGoogle)もこの「未来」への危機感は共有しているようで、「アフィリエイト用に作られた情報羅列サイト」の跋扈に結構強い調子で警告を発してはいる。ただこれ、「あなたの良心に訴えます」という段階でしないことの告白のようにも読めるが・・。
Affiliate programs and added value(※英語)
ここに記述されていることのポイントは、「訪れるユーザにとって付加価値のない薄っぺらいサイトを作っているのは許さん」と明記してあるところ。付加価値というのは、つまりは「まだ誰も知らないこと」「読む人にとって有益なこと」であり、「どこかに書いてあることのコピペ」じゃないということだ。
彼のGoogleもここまで書くくらいなので、やがては対策されるのだと信じたいが、それよりも早く「検索サイトそのもの」への信頼性が落ちて、万人に飽きられる日が来るほうが早いかもしれないとも思う。「悪貨が良貨を駆逐する」というが、まさにそういう「アタリショック」的なことが一挙に訪れないとも限らない、そう危惧するのである。
公開:2016年8月27日