あべのみくす【アベノミクス】:「エコノミクス」(経済)と「安倍」晋三内閣総理大臣をかけた造語。旧政権の行ってきた露骨で売国的な円高誘導とデフレ施策から脱却し、円安誘導とインフレ施策によって日本国内のカネの流れを活性化させ、20年来の大不況から脱却することを企図した救国的経済政策全般をさす。ただし同時に消費税増税も行うため、その効果は2013年度内で終了するとの見方も強い。
(解説)消費増税に賛成する人って、「国の借金が大変だから、仕方ない」って言うけれど、それ、騙されてますよ。消費税は「福祉目的」って言っているじゃないですか。別に、国債の返済資金に消費増税を充てるわけじゃないんです。そもそも「国の借金」といっても、「政府の借金」であって、別に国民が諸外国に借金を背負っているわけじゃないんですよ。会計上、あくまでも政府が「円」ベースの借金をしているだけなんです。いわば家長が実子から金を借りてそれが天文学的数字に膨れ上がっているのであって(それはそれで体面が悪い話ですけれど)、それ自体は対外的なマイナスを意味するものでは実はありません。そもそも日本は「純債権国」です。つまり、カネ自体はあまっています(人に貸すほどあるという意味ですね)。政府の財政は火の車だったとしても、国全体ではストックの宝庫なのです。なんでそんな純債権国が、純債務国のような「首が回らなくてピンチ」という状況を想像しなければいけないんでしょうね。政府は国民を明らかに脅かして増税しようとしています。おかしな話ですね。せっかく景気が上向こうとしているときに、どうして「景気に水を差す」ことができるのか・・不思議でなりません。
いまでしょ【今でしょ!】:東進ハイスクール現代文講師・林修先生の決め台詞。正しくは「いつやるの? 今でしょ!」。例の戦場カメラマン同様、マスコミの流行パターンの典型例で、「流行する」→「テレビなどに出まくる」→「消費終了」という流れを地で行くことが目に見えているため、そろそろ見ていて徐々に不安になってくる。まあ、そこまでを含めて流行というのだが。ここまで来るとマスコミが国民と作り上げる一種の伝統芸能みたいなものである。・・まあそれは大きなお世話だったとしても、だいたいテレビに出過ぎると、最後は専門外の評論などをはじめて不評を買うものなので、それがないことを今回こそは祈りたい。
おもてなし【お・も・て・な・し】:2020年東京五輪招致成功のシンボルとなった、滝川クリステルのプレゼンテーションの一つ。「大人の事情」により、基本的にはこれが流行語大賞になるということが今から想像できてしまう。ついでに今年の漢字は「輪」か「演」だろうな。
じぇじぇじぇ【じぇじぇじぇ!】:NHK朝の連続テレビ小説『あまちゃん』で主人公能年玲奈はじめ東北の方々が驚いた時に思わず口にする言葉。「方言を話す女子はかわいい」という若い男子や、「小泉今日子と薬師丸ひろ子の歌が聞けるなんて幸せ」というおじさん世代のハートもがっちりつかみ、番組は大ヒット。「朝ドラ」らしさを残しつつも斬新な世界観を取り入れた脚本・演出の素晴らしさも特筆すべきもので、特に最終週の火・水・木の3話は特に神がかり的に素晴らしいストーリーであった。これは全国の「あまちゃん」ファン、あるいはファンでない人をも感動させた(火:列車でプロポーズのペイント、水:薬師丸ひろ子が「♪三代前からマーメイド」と歌い切るシーン、木:伏線を回収しきって安心の結婚式)。劇中歌の「潮騒のメモリー」は間違いなく今年の紅白歌合戦に出てくるだろうと予想される。
ばいがえし【倍返し】:TBS日曜劇場『半沢直樹』(平成版「水戸黄門」)で主人公半沢直樹が口にする仕返しのセリフ。正しくは、「人の善意は信じますが、やられたらやり返す。倍返しだ」。前半の小木曽のムカつき度合、浅野支店長の凋落っぷり、後半の大和田の怪演、黒崎のオカマ度、ミッチーの怪しさ、近藤の漁夫の利など、わき役の人間臭さも群を抜いており、久し振りに「職場でも話題になるドラマ」の地位を築いた。この時期だけは、全国のサラリーマンたちは「サザエさん症候群」というより「半沢直樹症候群」に罹患し、「半沢」を見るたびに「ああ・・明日は会社か・・」と暗い気持ちになるのであった。それだけの影響力を持ったドラマである。結果として最終回の視聴率は42%を超え、平成ドラマの頂点を獲った。連休だったので、旅行先でこれを見たり、ビデオで録画してみた人も多かろう。勝手な予想だが、実質の視聴率は、6割を超えるのではなかろうか。
(解説)・・・ということで、放送終了後に池井戸潤の原作を全部買った。面白い。そして、予想以上に原作が活かされたドラマであったことを知る。視聴者をバカにしなかったからこそ、視聴者はついてきたのである。とはいえ原作はもっとドライだ。人事異動はある意味懲罰的意味合いがあることもしっかり説明されているし、羽根専務は男だし、まあ、これが現実だよな、と思っていい意味で鬱になった。そして、改めて堺雅人のすごさ(『新撰組!』の山南先生、『篤姫』の徳川家定など、大河ドラマでも奇跡的な演技を数多くこなしていたのだから当然と言えば当然なのだけれど)、香川照之のすごさ(大河ドラマ『秀吉』や・・そうそう、映画『カイジ』も好きなのだ。もう、顔が凄い)を感じたところ。あー、毎日でも見たいよ、この二人の演技。で、「半沢直樹」の終わってしまった最初の日曜日、寂しさに耐えかねて、堺雅人主演、共演が香川照之の『鍵泥棒のメソッド』を見たのだよ。そしたら、『あまちゃん』の車掌も悪役で出ていて吹いた・・。今年『あまちゃん』と『半沢直樹』にハマった人は、ぜひ「鍵泥棒」のほうも見るとよい。・・・何が言いたいかというと、「意外な共演」を探すのって面白いんだ、ということだ。さてここからまったく話は変わるけれど、フジの『最高の離婚』というドラマがあって(※さらにこの1つ前のドラマが『結婚しない』というやつで、この主演が堺雅人の妻の菅野美穂だったりする)。ここで尾野真千子と真木よう子とのアンニュイな演技が実におもしろかったのだが、最近封切られたばかりの映画『そして、父になる』でも共演していた。まったくこの二人、同じ感じでアンニュイなの。面白すぎる。ああ、これも見てよかった。この映画は「ピアノ」が隠れモチーフになるのだけれど、私は幼少のころからブルグミュラーの練習曲『清い流れ』が大好きで、「好きな曲ランキング」でも1位に入るほどでして。それが劇中のいいところで流れるものだからさあ大変。最後のクレジットで「清い流れ」という文字が出たとたんに、涙が止まらなくなってしまった。映画で泣いたのって久し振りだな。
以上、流行語大賞レースでした。
最後は全然関係ないことになっていますが。言いたかったことは、「半沢直樹超楽しかった!」ということと、「消費増税したら絶対に景気を押し下げる(から、今回は先延ばしすべし)」ということの2点なのだ!
これでいいのだ!
公開:2013年9月30日