「細けぇことはいいから、要は金だよ、金」ということで政治がずっと行われてきて、様々なツケがたまってきた。そのツケを清算しようと、政権交代をしてみたものの、結局<素人政策>がうまくいくはずもなく、逆戻り―これが、少なくとも1960年以降の50余年におけるこの国の政治のすがたである。
これまでの政治が行ってきたことは、「改善」ではなく、「先送り」であった。目先の問題は、大きくなる経済のパイに群がる国民にとっては、さしたる問題ではなかったのだ。
しかし、20年来の不況下で「先送り」ではどうにも行き詰ってきた。それが現代である。このままではうまくいかないことが直観されるからこそ、誰も「消費しない」社会―デフレ社会が出現したのである。問題の根は深い。
閉塞した政治状況を変える1つのポイントは、かなりドラスティックな<改憲>なのだが、誰もそれをストレートに主張しようとしない。
改憲というとよく国防面ばかりが取り上げられるのだが、もはや、そういう問題ではない。選挙制度1つを取っても、変えるべきことは山積している。今更「改正案」の1つもまともに打ち出せない政党は、この国で政治をする資格はないと断ぜられよう。
そもそも保守勢力が「改憲」を訴え、革新勢力が「護憲」を訴える現状こそ、異常である。
ということで、私はこのところ、改憲案を作成するのに夢中であった。そして、このほど完成したので、現行憲法との比較つきで公開してみた。→ 日本国憲法改正私案(2012年12月度版)
天皇元首の明記や、国体の明確化といったことだけでなく、現状の<軍の解釈運用>は危険すぎるので国防条項を整備し、非常事態制度の設計も行った。またいわゆる「新しい人権(知る権利や環境権など)」、「国民の司法参加(裁判員制度など)」も盛り込んだ。
目玉は選挙制度の厳格な規定で、議員定数を30万人に1名にすること(要するに現在の半分以下とすること)、同一地域における連続立候補の制限、個人名投票の原則、重複立候補の禁止、復活当選の禁止・・と、当然のことも盛り込んだ。
自分で書くのもおかしいが、個人が趣味で作ってこれくらいやれるのだ。政党が作れないのは「怠慢」としか言いようがない。
公開:2012年12月25日