「全員悪人」の『アウトレイジ・ビヨンド』が実に面白かったので、反対に「全員善人」の映画『ピュアストレート』をみてみたいと思った。
『アウトレイジ・ビヨンド』では、本物の悪人が最後に暗喩されて終わるのだけれども、言い換えると、「悪人とはその時の相対的な状況でいい人にもなり得て、結局本当の極悪人はごく一部」というメッセージが隠されているような気がしないでもなかった。ここが、実に面白い。
一方、『ピュアストレート』は、こんな作品である。
純粋まっすぐな人たちだけが出てくる、「全員・善人」の世界。あるきっかけで、そいつらの本性が暴かれるという、バイオレンス映画だ。「全員・善人」なのは最初だけで、人間臭さ、エゴ、そういったものが徐々にむき出しになってくる―つまり、「善人とはその時の相対的な状況で悪人にもなり得て、結局本当の善人はごく一部」というメッセージが隠された映画だ。
突然、東京に発生した巨大クーデーター。たまたま学校で福祉イベントに来ていたNPO法人「ふれあいなかよしクラブ」で働いていたA男とB子は、そのどさくさに、今まで「善人面」していた同僚、パートナー、その他が、実は善人の面を被った悪人であったことを知る。
徐々に狂い出すA男とB子。果たして、彼らの運命は―?
善人たちが、極限の状況下で狂っていくさまが描かれる・・・
公開:2012年10月7日