漫文漫文2005&2011>今日の講義


●法学

第二十四講 「法律のこれから」

国民に分かりやすい言葉で法律を書け」という議論があるが、そうなったら法曹は飯の食い上げだ。政府に働きかけて、これからも難解で、玉虫色で、いかようにも解釈できるような法律を作り続けなければならない。解釈が1通りしかない法律を作ってしまったら、法学者も失職するんだぞ。

そういった方面に進みたい諸君!「分かりやすさ」これすなわち権威の失墜だ。地位の喪失だ。我々は、命に代えてでも「分かりにくい」法律を作らなければならない。いいね、自分で自分の首を絞めるようなこと、してはいけないよ。


●マーケティング論

第八講 「広告とは何か」

君たちはテレビを何か勘違いしているようだね。テレビのメインは番組ではなく、広告なんだ。

広告というのは、何であるかしっているかい? 必需品じゃないから広告をするんだ。必需品は放っておいても売れる。本当に必要なもの(インフラ)は政府が握っていたり、規制産業・免許産業が事業を独占している。 非必需品だからこそ、広告をするんだ。

そして、広告を見てくれないからこそ、テレビ番組を作って観客を集めるんだよ。 この原理、分かっているかね?

だから、民間テレビ放送というシステムを考えた人は、ノーベル経済学賞をもらってもおかしくない。「経済の流動性を高め、非必需品の露出度を飛躍的に向上させた」とかね。


●心理学

第一講 「君たちは勘違いをしている」

この講義を取った諸君。「心理学」という響きにあこがれすぎていないか?

心理学は、心理ゲームじゃないぞ。「どうぶつ占い」とか、「心理テスト」とか、そういうことを学ぶ学問ではない!ただ単に、「個人や社会の抱える悩みや精神的な問題の解決をサポートする学問」と軽く考えていないか?

「人の悩みの解決のサポートをする」のは心理学の一分野である臨床心理学における重要な一部門であるが、それが全てではない。また、臨床心理学はカウンセリングとは全く別個のものである。また、「悩みを解決する」のは本人であり、他人が「解決する」というのはおこがましいっ・・

「心理学って人の悩みを解決するんでしょ? 心理学を学べばカウンセリングができそうだなー。人の話を聞くのも好きだしぃ〜」と思ってた奴、そこを勘違いするな。表へ出ろ。

うわ・・こんなにいるのか・・・

えーと、勘違いしていた人は、「政治行動学」とか、そういう方面に進みなさい。


●経済学

第六講 「バブル経済」

諸君! 今、経済の世界ではバブル後の10年のことを「失われた10年」とか言うんだが。偉そうに過去を断罪する奴の中には、「バブル」を煽ってきた学者も居るんだ! 

かくいう私もそうだ! 

正直すまんかった。国民を騙して・・


●教育学

第十二講 「勉強するのはその人自身」

諸君らの中には、アルバイトで塾の先生をやっている人もいるんじゃないかな。「生徒を教え、大学に合格させました」とはあまり人に言わないように!

勉強しているのはその人自身。あんたが大学に入れてやったんじゃない。あんたはその手伝いをしてやっただけ。そこを勘違いすると、とんでもないことになる。

よく、塾や通信教育で 「○○ゼミで東大500人合格」だの、「○○塾で早稲田234人合格」だの言うが、それはあんたの実績ではなく、そこで学んだ生徒の実績だ。 そこを勘違いすると、とんでもないことになる。

いいか、これはテストに出るぞ。勉強するのはその人自身なんだ。私達は、その手伝いをするに過ぎない!死んでも勘違いするなよっ・・


●平和学

特講 「みんな 仲良くしなくていいよ」

 

−『ドラえもんプラス』1巻より引用

のび太 「世界中の心が一つになれば、平和になると思うよ。」

静香 「大ぜいが同じこと考えるなんて、気持ち悪いわ。」

 

これは示唆的だ。

「心はひとつ」なんて、無意味だ。無意味。

 

「心はひとつ」、これすなわち夢想なり。

「心はひとつ」、これすなわち宗教なり。

 

無理して仲良くしようとしなくてよろし。


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