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大人になったら気をつけるんじゃよ。
大人(18歳成人)になったらとみに気を付けたい、いろいろな詐欺の手口と対処法をまとめました。
うまい話(ラクして儲かるなど)は絶対にないということと、仮にうまい話があったとしても、他人にわざわざ教えることはあり得ません。
あと「自分は絶対に騙されない」と思っている人は、絶好のカモです。「もしかして、騙されてる?」と途中で気づくことができないからです。最悪の場合、「この俺が騙されるわけがない」と思って、ずるずると騙され続けるということにもなりかねません。常に「自分は間抜けなところがあるから、いつか誰かに騙されるかもしれない」とビクビクしながら過ごすほうが、却って騙されにくいかもしれません。
■はじめに
「得をする話」「ここだけの話」「自分だけにしてくれた、特別な話」-に触れると、誰でも気分が高揚します。この高揚感が、人の判断力を覿面に失わせるのです。これが、詐欺に付け込まれる心理状態そのものです。巧妙に心理の隙を突き、あっという間にターゲット(カモ)から財産を絞り取るのが詐欺です。
シンプルに書くと、
- 「何やら特別な話をまとって接近し」
- 「お金を巻き上げたら、あとは知らんぷり」
ということです。高揚感によって冷静な判断ができないうちに(あるいは冷静な判断ができないように)仕掛け、エサに食いついたら一気に釣り上げる-
では、詐欺の被害に遭わないようにするためには、どのような対策が必要なのでしょうか?これからケースごとに見ていきましょう(似たシチュエーションに遭遇したけれど、このケースとは状況が違うから詐欺ではない-ということではないことに注意が必要です。あまり具体的に書きすぎると「それとは違うからOK」と曲解される恐れがあるので、できるだけ一般化して記述します。抽象的すぎてわかりにくい場合は、それを敢えて脳内で具体化してみていただくことをお勧めします)。
ちなみに、すべてのケースにおいて最大の解決法は「無視をする」・・あるいは「連絡を絶つ」ことです。詐欺師はあなたに脈がないと判断すれば、しつこくアプローチするだけ時間の無駄ですから、ターゲットをさっさと「次」に振り向けるはずです。
■マルチ商法、ネットワークビジネス
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商材こそ化粧品や健康食品、情報商材など「モノ」や「サービス」を扱っていますが、その実は「人間関係」を根こそぎ換金する仕組みで成り立つビジネスです。仕組み上、「親」になる以外で儲かることは難しいとされます。
(対処法)
- 街頭アンケートには絶対に回答しない。
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サークルやバイト先などで「先輩」や「友人」から勧誘されることも多い。マルチと悟った段階で、論破はせずにそのサークルやバイトを辞めて関係を一切絶つ。
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特に縁のなかった「昔の同級生」などから急に連絡がきたときは、基本的にマルチの勧誘を疑い、誘いに乗ったとしてもマルチと分かった段階で関係を一切絶つ。
■カルト、過激組織
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カルトの勧誘は、勧誘させることで勧誘者自身の人間関係を孤独にさせて、ますますそのカルトにのめり込ませるためのトリックです。集金によって組織の懐だけが潤い、信者は窮乏化し、ますます孤独を極めることになり、個人にとっては救われるどころか、不幸が連鎖します。集金目的ならばまだしも(・・よくないですが)、社会破壊目的の組織もあることはよくご承知の通りです。そもそも近づかないことが吉といえるでしょう。
(対処法)
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基本、上記のマルチの対応に準じます。初めから関りを絶つのが吉です。といっても、異性アプローチ(男⇒美人女性、女⇒イケメン男性)で搦めとられることもあります。色恋営業というやつですね。勧誘する異性の傾向として、マルチの勧誘は目がギラギラしている(カネに目がくらんで相手がカネにしか見えない)か、もしくは死んでいる(カネが欲しくてカネのことしか考えられない)かのどちらかです。一方、カルトの勧誘は目がガチもしくは藪にらみ(マインドコントロールされている)なので、大学構内や都心部の大きな駅前などで人間観察をしているとだいたい、「あー、あれはマルチだ」「あれはカルトかな」とみえてきたりします。
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当たり前ですが、いきなり「カルトです」と名乗ることはまずありません。「経済についての勉強会」とか、「ヨガ」「マインドフルネス」のように、いかにも大学生が好みそうな「自分磨き」系のサークルや団体のフリをして勧誘し、のめり込んできたところで特定個人(創始者など)を殊更に持ち上げたり、なぜか社会のありかたについて激しく主張したり、少しずつ「世界」をみせていくのが典型的な手口です。素性の不明なサークルや団体の門はくぐらないことが重要です(例えば、サークル等の大学公認制度があれば、必ず公認の団体に所属するようにするとよいでしょう。それでもその団体がカルトの隠れ蓑であることを100%防ぐことはできませんが・・・)。
■自己啓発セミナー、情報商材、副業
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自己啓発・・・といっても起業や投資、副業、要するに「金儲け」に関する勉強会や情報を最初は無料、または参加しやすい金額(数千円程度)で販売します。参加していると徐々に、「さらに高みを目指すために」とか「もっと早く成功者になるために」と、「成功者」が現れ、次なる高額のセミナー参加や、高額の書籍や講演集などの購入を煽っていくのが典型的な手口です。
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怖いのは「場の力」で、周囲が我も我もと次のセミナーに参加したり、講演集などをバンバン購入している姿を見ると、「自分だけ何もしないと取り残されてしまう」と焦って、高額の契約をしてしまう-ということが狙いです。
(対処法)
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大枚を払って素性の不明なセミナーを受講するくらいなら、そのお金と時間で市販の読書をしたほうが血肉になります。大学生なら、大学の講義を受けられるだけ受けたほうがより勉強になるはずです。
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他者が絶対に人に「儲かる方法」を教えることはありません。この原則を忘れてはなりません。そしてこの「セミナー商法」の面白いところは、究極的には、「自分と同じことをすれば儲かりますよ」ということを仕組み上、暗に言ってしまっているというところです。例え騙されて最初のセミナーに参加してしまっても、勘が良ければそのことにすぐ気づき、勝手に「模倣」するでしょう。ある意味、そういう人は成功する、「かも」しれませ・・・いいえ、すでに同じことをやっている人はごまんといます。自分だけがみつけた手口ではなく、レッドオーシャンであることは間違いないのです。
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基本的に、「何かをはじめる(≒収入が入る)」「前に」「高額のお金を払う」ものは詐欺的な要素が強いと疑うべきです。すなわち、「登録料やシステム料、紹介料が必要です」「この仕事をはじめるためには資格が必要で、教材費がかかります」「代行手数料が必要です」などの条件があり、そのお金が法外に高い場合は、一般的に詐欺の可能性が強いですから、安易に契約に進むことは控えるとよいでしょう。
■エコ、ロハス、SDGs、自然派、ボランティア
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要するに、「環境保護に酔ってる優等生なワタシ」「就活でアピールできる持続可能な俺」-というキラキラお坊ちゃま・お嬢ちゃまを狙った「やりがい搾取」「雰囲気詐欺」というやつですね。
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明らかに賃金を払うべき労働(農作業、移動販売など)を「ボランティア」と称して無賃で作業させたり(ほんらいボランティアには、強制と対を成す「志願」という要素を含んだ言葉で、「無償」を含意していません)、「健康」「自然派」「天然」を謳った商品を高額で売りつけたり、様々なアプローチが考えられます。
(対処法)
- エコも、SDGsも、商売用語です。あまりまともに付き合わないほうがよいでしょう。
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「いいことを言えばほめられる」のは小学生まで。あとなぜか誤解があるのですが、就活でボランティアは評価されません。会社は「営利活動」ですから、ちゃんと「対価を稼ぐ」ことの責任と意義を理解して入社してほしい、ただそれだけです。入社してから「ボランティア」と称してカネにならんことばかりされても困るわけです。
■エステ、美容、脱毛、化粧品
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格安で美容サロンに呼び込み、高額なコースを契約させる手口。「無料の肌チェック」「化粧品を購入するとエステが大特価(逆も)」など、女性ならば心が動きそうなキーワードで巧みに釣り上げられます。
(対処法)
- 「肌には何も塗らないほうが肌にいい」という動物としてのヒトの大原則を思い出しましょう。
■仮想通貨
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架空の口座への入金(当然、払戻も配当もなし)という典型的な投資詐欺のほか、「新規発行の仮想通貨なので、先行投資できる今がチャンス。購入者を増やしてくれれば、高配当が狙える」といったねずみ講まがいの詐欺まで、
手口こそ現代的ですが、中身は昔ながらの詐欺そのものです。
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いわゆるポンジ・スキーム(最初は約束通り配当があって、そのうち遅配になって、後は払戻もされずにドロン。そのココロは配当の原資を新規加入者の入金で賄っている)の舞台にもなりやすいようです。
(対処法)
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金融庁に登録されている日本国内の取引所だけを使う(日本国内の取引所で扱われている仮想通貨だけを売買する)ことが原則です。うまい話はありません。
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身も蓋もないことを言ってしまいますが、「実はあんまりよく分かっていないんだよね」というのもには、手を出さないのがよいでしょう。仮想通貨はニュースも情報も多く、ついつい「知っているつもり」になりがちなのですが、ブロックチェーンの仕組み、採掘の仕組み、価格が乱高下する仕組みを正確に説明できるかと聞かれたときに、本当に説明できますか。私はできませんね。法定通貨との決定的な違いは何ですか。株に投資するのと比べてリスクとリターンは、定量的にどれくらい違うでしょうか。これらを、胸に手を当ててよく考えてみるとよいでしょう。
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エレベーター・テスト(エレベーターに乗り合わせている間に上司に説明して裁可を貰うイメージ)をしたときに、一言で説明できない案件にはそもそも投資しないほうがよいでしょう。
■結婚詐欺
- 恋愛関係を構築して、貯金を奪ったり、不動産や株を購入させたりして、絞り取ったらドロン-という昔からある詐欺です。
- 恋は盲目ですから、少々怪しいところがあってもそれが見抜けない-からこそ、成立してしまうのです。
(対処法)
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要するに相手は「素性を隠して」あなたに近づいているわけですから、あなたは最初から、恋人として当然の次の点をさりげなく問いかけてみればよいわけです。
(1)仕事内容を聞く(「へぇ。あ、名刺ちょうだいよ」と、ついでに名刺も貰っておくとよいでしょう。いつも名刺がないといってごまかされると、怪しさが高まります)
(2)一緒に写真に写る(あまりにも嫌がると、怪しいですよね)
(3)家族のことを聞く(あまりにも嫌がると、怪しいですよね)
(4)友だちのことを聞く(あまりにも嫌がると、怪しいですよね)
(5)相手の家に行かせてもらう(あまりにも嫌がると、怪しいですよね)
(6)写真付きの証明書(免許証、パスポート、マイナンバーカード)を見せてもらう
(7)卒業文集や卒業アルバムを見せてもらう
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怪しいと思ったところへ、結婚もしていないのに「お金を貸して」とか、「家を買おう」といった話になってきたら、手を打ちましょう。いくら好きな人でも、お金のやり取りがきちんとできない人とは安易に手を結ぶべきではありません。
(1)「親しき仲にも礼儀あり、と親からもずっと言われてきたから」と断ったうえで、必ず「借用書」や「覚書」を交わす
(2)あるいは、結婚前にお金の話が出てきた時点でその人と縁を切るということも十分有効な選択肢であると言えるでしょう。
■架空請求
- SMSなどで架空の「使用料金未納」「延滞料金」「税金の未払い」などの案内が通知され、「本日中にご連絡がない場合は法的手続きに移行します」などの記載がなされています。慌てて記載されている連絡先に連絡すると、「今すぐ払わないと裁判になる」「今日中に支払えば間に合う」などと畳みかけられ、興奮のうちにお金を詐取されてしまうというものです。
- レターパックなどで現金を送らせたり(違法)、コンビニのプリペイドカードを購入させたり、といった手口でお金をだまし取るのが典型的な手口です。
(対処法)
- 身に覚えのない請求はすべて無視することです。「反応しない、対応しない、動じない」です。
■つまりは・・・
うまい話はないということです。そして、その大前提に基づき、以下のポイントに留意されるとよいでしょう。
- 「必ず儲かる」ことなどあり得ない。
- 「必ず当たる」とか「事前に分かる」ということもない。
- SMSやメールに書かれている連絡先に安易に連絡しない。
- 街頭のアンケートには絶対に関わらない。
- お金は可能な限り「先払い」を避ける。
- 入金は足のつかない現金や相手先が不明な振り込みではなく、可能な限り取引記録の残る「電子マネー」や「クレジットカード」を使用する。
- 大金を使うときは、事前に家族に相談する。
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