家探し
よく賃貸VS持ち家という闘争が繰り広げられているが、結論は見えている。「場合による」だ。賃貸業者は「空き家リスク」から賃貸を押すし、分譲・建売業者は「どうせ家賃を払うならローンに回せ」と家の購入を迫る。
冷静に考えると、家を投資目的で検討する場合、住む期間の合計出資額が少ないほうが最適解となる。実際はここに生活上の効用(賃貸という気楽さと、持ち家という安心感との天秤)が関わってくるので、本当に一概には言えないのだ。
ただ、日本では少なくとも平成年代までは「住宅の総量規制」は行われていないので、この少子・高齢、人口減少社会においては、ものすごい勢いで「空き家」が増えることだけは自明のこととして予測が立つ。基本的には賃貸市場は下げ圧力が強まり、売買市場は「市場条件の良いところ」と「悪いところ」との格差が拡大する、ということは素人でも予想できる。
物凄く身も蓋もないことを言うと、「大自然に住みたい」とか、特別な趣味がない限りは、次の3つが家探しの条件になってくるだろう。
【条件1.エキチカ物件】
「駅徒歩10分、信号2つ」だと思う。駅徒歩10分って要は「800M」もあるので、電車に乗ろうとすると改札を通って、階段上って・・と考えると15分くらいは見たほうがいいのかな。
マンションならここにエレベーターの待ち時間なども入ってくるから、実はかなり遠い。将来的には「駅徒歩5分」くらいまでが許容範囲になるかもしれないなぁ。だって、社会の構成員のほとんどが高齢者。足腰が弱ってくるんだもの。
ちなみに、「駅からの信号の数」ってかなり重要なポイントなのだ。3つ以上あると心理的にはかなり遠く、正直言って「億劫」になる。意外と信号3つって多いので、実際に自分の町で試してみてほしい。「あっ、本当だ」って思うはず。
【条件2.管理が適度】
まずマンションの場合。ほどよいメンテが一番。いつ使うかわからない気取った共用施設に管理費を払うより、そこそこの設備が綺麗に掃除されているほうが間違いなくリーズナブル。注意書きが多すぎるところは民度が低いか、「管理マニア」の住人がいるかのどちらか。管理マニアに関わると絶対面倒なので、近づかないが吉。Wikipediaを編集すると、わずか数秒で上書きされるような項目がたまにあるが、そういう「ストーカー的怖さ」がある。そしてチラシの数。最近は郵便局の「タウンメール」ですら禁止する管理過剰なマンションが出てきている。地域の無料ミニコミ誌やピザ屋のチラシまで一切入らないマンションって、生活上、結構不便である
し、異常ですらある。こういうのをやりすぎという。繰り返しになるが、「過剰管理」な物件は避けたほうがよい。絶対、面倒だから!!
次に一戸建ての場合。ここでの管理というのは自治組織(町内会、自治会)のこと。これもマンション同様。「ほどよいかかわり」がGOOD。「管理マニア」「自治マニア」に占拠されている街に住むと悲惨で、ちょっとした自転車の止め方で近隣トラブルになることも。どぶさらいも、「どこまでが○○さん家で」「あの家の排水管は実はこの道路にはつながっていなくて」なんて喧嘩されたら周りも不快。目に見えないが、重要なポイント。
結論。「管理過剰な物件には手を出すな」。
【条件3.徒歩圏で生活できる】
完全自動運転のクルマが普及したら別だが、少なくとも現状から敷衍して考えるに、高齢社会において車社会前提の街に住むのは非常にリスキー。運転できなくなった時、簡単に詰む。そもそも郊外型SCの近くに住んでいたとしても、店舗がデカすぎて、梅干し1個買うのに物凄く疲れてしまう・・・
ということで、「ほどよい大きさのスーパー(雑貨も扱っているレベル)」、「全国チェーンのコンビニ(セブンとローソンなど、各種サービスやチケット発券機能があると便利)」、「薬局(できれば24時間営業で、調剤機能もあると いざという時のセーフティネットになる)」、「郵便局」、「取引銀行のATM」、「100円ショップ」「内科」「外科」「胃腸科」「歯科」「耳鼻咽喉科」「眼科」「皮膚科」「小児科」などの町医者、「本屋」、「床屋・美容院」、「キャリアの携帯ショップ」、「日用の洋服店」、「弁当屋」あたりが徒歩10分圏内にあると、いざというときに本当に助かる。すなわち、「エキチカ」ということとほぼ同値 であるのだ。