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足を骨折したんだよ


◇この足を見よ!

 この堂々としたギプス。分かりやすい「けが人」である。

◇原因と経過

2019年8月5日。会社の昼休み。中華料理屋さんの下り階段。最後の2段を踏み外し、身体が右足に着地。痛くて立てない。歩けない。みるみるうちに、足の甲がくるぶしが2つに見えるほどパンパンにはれ上がった。こんな腫れ方、捻挫の訳がないのだ。 初体験でも分かる。顔色もすごく悪くなったので、「骨折すると顔色が悪くなるから、それきっと骨折ですよ」と会社で教えてもらった。誰がどう見ても骨折である。

急行した地元の整形外科のレントゲン結果は「3か所の骨折」。しかしお盆前ということもあり、「お盆にも対応できる国立病院を紹介する」とのこと。翌日、紹介状を持って国立病院へ。レントゲンを見ると、「 これは、もっと酷いかもしれない」とのことで、急遽MRIまで取って確認。すると、右第5中足骨骨折、右立方剥離骨折、右舟状骨剥離骨折、右踵骨剥離骨折・・・なんと、4か所も折れていたことが発覚。

これで夏休み前だというのに、外出制限と松葉杖生活が確定。ギプスが取れたのはそれから1か月半後の9月19日。その後もリハビリ生活と相成った (10月上旬に片松葉になり、25%加重。10月中旬に50%加重。10月下旬に100%加重で松葉杖卒業。10月31日に通院終了。 通院終了までほぼ3か月。それでも固定していた側の足の筋肉は完ぺきではなく、通院終了後も「ダッシュ」や「ジャンプ」などはすぐにはできず・・・。 完全に走ったり、飛んだり跳ねたりできるようになったのは2020年2月上旬。つまり、完全復活までは半年ほどかかった。それでも、寒い日には筋肉がうずくなど、いわゆる"古傷が痛む"状態はしばらく残った。骨折など、するものではない)。

なお不幸中の幸いで、勤務先がたまたま「完全フレックス勤務」と「無制限リモートワーク」を導入していたので、受傷日からお盆までは在宅勤務、お盆明けからは、週2・3日を在宅、その他はフレックス勤務という形で何とか凌いだのであった。ちなみに会社の後輩によれば、事件現場となった中華料理屋の階段には、「七転び八起き」と書かれた額が飾ってあったという・・・。

なお、受傷から約20日が経過した8月27日には、怪我をしていないほうの左足の薬指を松葉杖で踏み抜くという惨事を巻き起こした。当然、左足指にはひびが入り( 「ひびも骨折の一種である」というよく考えるともっともなことを、このときはじめて知る)、こちらも全治2週間という痛手を負ったことも特に記録しておきたい。 医者には、「え、そっちもやっちゃったの」と笑われた。

 松葉杖で踏み抜き、左足の薬指もパンパンに腫れた。中指を添え木代わりに、バディーテープを入れて固定している図。 ギプスと比べると、深手を負った感じは少ない。でもすごく痛い。


◇Q&A

○骨折したらまずするべきことは何?

  • 固定する。できるだけ心臓より高くしてうっ血を防ぐ。そして冷やす。腫れが引くまではギプスの上からでも氷で冷やすとよい、と看護師さんから言われた!
  •  これ。受傷直後の図。分かりにくいかもしれないが、ギプスの上から保冷剤をガーゼで巻いて、患部を冷やし 続けている。

    ○松葉杖のせいで腕の筋肉痛や手の痛みが酷いんだけど何とかならないの?

  • 最初の数日は筋肉痛との戦い。ただ、人間は強いものですぐ(1週間くらいで)慣れる。痛みを軽減する手袋も買ってみたのだが、慣れると使わなくても痛まなくなる。腕の痛みは、ホットタオルで温めるのが一番効いた。慣れるまでは腱鞘炎用のサポーターを使うと気持ちラクになる。
  • ○松葉杖で歩くと、けがをしたほうの足のふくらはぎがつるんですけど。

  • 1、2週間それで苦しめられた。水分を多めにとることと、できるだけ足を高く置いて眠るようにして、とにかく血の巡りがよくなるように心がけた。あと、太もものマッサージをした。 真夏だったがトイレに行くのが面倒で水分摂取量が落ちていたので、それも影響していたのかもしれない。
  • ○風呂はどうするの?

  • 腫れが引くまでの数日間はシャワーも含めて厳禁と言われた。腫れが引いてからも、真夏だというのに、シャワー。しかも、怪我をした足にはビニール袋(ゴミ袋)をガムテープでとめて浸水を防止しなければならないので、とても面倒くさい。途中からシリコン製のカバーを使うようになった。
  • ○通勤はどうするの?

  • 私の場合は 駅まで徒歩10分、職場も駅から徒歩10分。 毎日片道20分も歩くのは、とてもじゃないが危険すぎる。我が家には車がないので、急遽カーシェアに加入して、「行き」は妻に送ってもらうことになった。「帰り」はタクシー。だいたい、カーシェアが1日当たり400円、タクシー代が2200円。つまり、1度出勤すると2600円かかる。これで週5通勤すると2600×5(日)×4(週)で1ヶ月に5万円もかかってしまうので、在宅勤務を組み込んで毎日出勤することがないように調整した。
  • 以前は三鷹から千葉まで2時間かけて通勤していた時期があったので、もしそんなときに骨折したらどうなっていたのか、想像しただけでもぞっとする(今は通勤時間がだいたい30分くらい だからまだよいが・・・)。
  • ○どこにも遊びに行けないのか?

  • やり方による。誰かにクルマで連れて行ってもらって、レストランで食事をするとか、備え付けの車いすがある公共の観光スポットを巡るとか、そもそも単純にドライブを楽しむとか、そういうのはできるかもしれない。
  • 私の場合は、レストラン、九十九里浜の海辺、定年退職する方の慰労食事会・・などに出かけた。もう何年も行っていなかった「カラオケ」が意外とストレス発散の場になることに気づいた。カラオケは動かないでカロリーを消費できるなかなかよい娯楽である。
  • ○なんか、折れてない指が青くなってきたんだが、なんだろうか。

  • 1つはギプスが合っていなくて鬱血している可能性を考える。指先の感覚がないとか、締め付けられるような痛みがあったらすぐに病院へ。
  • もう1つは、重力の問題。すなわち、あざは重力の関係で下へ下へと降りてくることがあるのだ。骨折によって発生したあざが、足の指(体の一番下の先端だ)に集まってきているのである。私も不安になったが、3週間もすれば、白血球がこれらをすべて綺麗に掃除してくれる。
  •  人差し指、中指、薬指が紫色に変色している。 足を洗っていない汚れではない。あざである。一瞬、「え?ここも打ったのかな?」と不安になったが、何のことはない。あざが下りてきたのだ。

    ○痛かった?

  • 当然である。ただ、ギプスでしっかり固定するとかなり痛みも和らいでくる。・・・よく考えると、2週間くらい「ロキソニン」を処方されていたので、それがなかったらもっと痛かったのかもしれない。
  • ○リハビリは何をするの?

  • ずっと足を固定していたので、筋肉がとにかく弱く(&固く)なってしまっているので、それをほぐして可動域を増やすための運動。固まっている足首をストレッチで動かしたり、土踏まずを鍛えるためにビー玉を足の指で拾ったり、加重を掛けて歩行する訓練をしたり、アキレス腱を伸ばしたり。
  • 最初はとても痛い。「もう普通にできないんじゃないか」と心配になるほどだ。でも大丈夫。(個人差はあるかもしれないが)1か月半ほどで普通に歩くことはできるようになる!
  • ○あれか、あなたは悲惨か。

  • それはもう。ただ、人のやさしさに触れること、健康のありがたみを実感すること、(基本的にやることが限られるので)内省する機会が増えること、など、思索の機会をいただけたと思うようにしています。


  • 公開開始:2019年9月16日
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