トップ

読書レビュー


御気に召すものがあれば幸いです。思想的な偏りがあったらごめんなさい(←とは全然思ってない)。


『「市民」とは誰か 戦後民主主義を問い直す』 佐伯啓思 PHP新書

私は「地球市民」という言葉が大嫌いであり、思わずこの書を手にとってしまった。本書は、「私民」たる「市民」の虚構を暴いている。

 

『日本語(上)(下)』 金田一春彦 岩波新書

日本語を多角的に分析した本書。言葉としての日本語に少しでも興味のある方はご覧になることをお勧めする。面白い。

 

『まれに見るバカ』 勢古浩爾 洋泉社新書

やっぱり「バカ」を扱う本は面白い。バカの例が載ってるので参考に。 なお「あとがきの日付」に関する珍説(?)も堪能できる。そうだ。勢古氏は「アーティスト」という言葉を心から嫌っているようだが、概ね同感。すべての歌手が「アーティスト」ではないよな。どう考えても。


『なぜ人を殺してはいけないのか 新しい倫理学のために』 小浜逸郎 洋泉社新書

「人は何のために生きるのか」「人を愛するとは」「何故人を殺してはならぬのか」「死刑は廃止すべきか」など人間の生き方を鋭く抉る。

最終章において、倫理学の観点から、「日本=悪」と捉える戦後補償問題においての現状への反駁を唱える。まことに同感。

 

『日本の公安警察』 青木理 講談社現代新書

単純に「公安警察って何だろう?」ってな興味本位で読んだだけ。

 

『動作 都市空間の行動学』 香原志勢 講談社現代新書

電車の中、盛り場、会議室、球場、競馬場、店頭、レストラン、病院、動物園、路上などで人間がどのように行動しているのか分析している。「車内の人々の顔の向き」の図解なんか、笑ってしまった。


『歴史をかえた誤訳』 鳥飼玖美子 新潮OH!文庫

「原爆投下を招いた誤訳とは!」という鮮烈なコピーで始まる本書。内容的には、通訳論である。やや英語の引用が多いが、何とかなる。

 

『地名の謎』 今尾恵介 新潮OH!文庫

今尾氏は、地図大好き・地名大好きという点で私と属性が似ている。「きぼう」「みらい」みたいな地名を嫌い、伝統的な地名を好む辺りがそっくりだ。

 

『地図の遊び方』 今尾恵介 新潮OH!文庫

地図に関する相当マニアックな知識が身に付くのでお勧め。地図マニアには堪らない一冊。

(※)地図マニアとは・・・道路地図を眺めることで半日以上過ごせる人のこと。


『国民の道徳』 西部邁 産経新聞社

感動した一節を、特に引用する。

「・・・フランス革命は、過剰な規律(抑圧)、過剰な格差(差別)、そして過剰な競合(酷薄)に反逆して、自由・平等・博愛を叫んだだけなのだ。そういう「過剰」がないのに、そればかりか過剰な自由(放埓)、過剰な平等(画一化)そして過剰な博愛(偽善)が満ち溢れているのに、なおも・・・」

 

『数と計算の意味が分かる』 野崎昭弘・何森仁・伊潤一・小沢健一 ベレ出版

数学は得意でなかった私だが、数学の考え方には興味があり、ちょっとでもかじりたい、と思ったところへこのような書をみつける。

 

『だめだこりゃ』 いかりや長介 新潮社

いかりやファンの私としては、この本が出た途端に俊足で買いに行った。

芸能人の自伝本人が書いたといえるのかどうかさっぱり謎であるが、まあいい。いかりやファンだし。


『朝日新聞の大研究』 古森義久・井沢元彦・稲垣武 扶桑社

帯にはこう書いてある。「日本を一体どうしたいのか!」・・・物凄い「気」を感じた。しかも表紙は真っ赤っか。嫌味だねぇ。

中身は対談記事なのだが、かなり面白い仕上がりになっている。

なお、井沢氏は千葉県民であるが、船橋市の図書館で著書が焚書される事件が発生していることを特に付記しておく。

それから氏と小林よしのりの対論『朝日新聞の正義』(小学館文庫)も面白い。

 

『新聞・テレビはどこまで病んでいるか』 稲垣武 小学館文庫

中立な立場からのメディア批判。マスコミは今や「立法・司法・行政」に次ぐ第四の権力であるとする。これは当然のことであろう。むしろ最大の権力になろうとしてはいないか。我々は常に注視する必要があるだろう。インターネットは、その権力に風穴を開けた・・・か?

 

『長野県民は知らない 田中康夫の「真実」』 潮匡人 小学館文庫

タイトルがすべてを物語っているのでアレなんですが、私には田中康夫は理解できません。するつもりもないですがね。しかし、長野県民が氏を選んだのは、もしかすると旧県政に嫌気がさしていたからなのかな、なんて、日垣 隆『偽善系』の「田中知事誕生前夜」を読んで思いました。


『偽善系 正義の味方に御用心!』 日垣隆 文春文庫 ※文庫版なのでPart1の「やつらはヘンだ!」との合本

いわゆる戦後民主主義的な状況に対して徹底的な批判を加える。読んでいて実に小気味よい。「怒れ!日本人」とか「裁判がヘンだ!」とか。

 

『現代版「学問のすすめ」 「ゆとり教育」が国を滅ぼす』 小堀桂一郎(編著) 小学館文庫

ゆとり教育って、名前からしてアウトだもんな。塾で補うことで生徒のゆとりがますます削られているのに何が「ゆとり」なんだか。

 

『「言霊の国」 解体新書』 井沢元彦 小学館文庫

日本人の心の中には「言霊」が存在している。これが為、日本人は、しばしば、論理的予測と希望的観測の混同を起こして・・・

 

『ジョークで時代を吹っ飛ばせ!』 落合信彦 青春出版社

「世界のジョーク」を紹介しながら1950-1990年代の世相を辛口に見ていく。面白い。


トップ このページの先頭へ