トップページ漫文2003

旅行記

(すでンョシクィフはーリートスのこ)


第1日目

軽装。髪の毛全部剃って、眼鏡も掛けず、シャツ1枚、パンツは一応装着、靴は草履。凄い軽装だ。財布は持たない。旅行に出かける。

まず、家の中を散らかした。それから、家の門に「拙者、外出中」なる札を掲げた。ちょっと字が曲がったけどまぁいいや。足を踏み出す。だが、どちらの足から踏み出したものか非常に悩む。どうしよう。悩むこと小一時間。・・・・・・よし!今日は止めた。ビール飲む。

 

第2日目

今日は大雨。出発日和ではないようだ。1日テレビを見て過ごす。

 

第3日目

今日は午後から晴れたので、やっと旅行に出かけることにする。右足から踏み出す。途中、自転車に乗った巡査が私の方に向かって疑念の目を向けていたので、私はウインクした。巡査、発砲してきた。バカボンの本官さんのような素早さ。慌てて逃げる。

夜は野宿。

 

第4日目

立小便をしようとすると、いつも野犬がそばにいるので、昨日から我慢している。もう限界だ。山の茂みで失礼・・・・・・ところが、野生のヒョウが私を睨んでるではないか。どうやら、彼の管轄区だったようだ。慌てて謝る。ごめんなさい。

でも、言葉が通じない。ヒョウ、飛び掛ってくる。余りの恐怖に、小生、失禁してしまった。

・・・

気づいたら、朝。なるほどこれは夢だった。日本にヒョウがいるわけない。一安心・・・

が、粗相をしてしまったことに気づく。

 

第5日目

もう帰りたくなる。ホーム・シックというやつだ。涙が頬を伝う。猿、私の気持ちに同情し、ハンカチを貸してくれる。嬉しくて、ますます泣く。もう帰ることにした。でもここはどこだ。

 

第6日目

山で迷ったことに気づき、大慌てで下へ下へと進んだ。すると、人の声が・・・急いで駆け寄ってみると、銀色のスーツを見に纏った人たち。声をかける。「おーい」

すると、その人たち、目を光らせて「ほあのだたはんにりんかのといさのこ」 と意味不明な言語を話してきたではないか。うーん・・・弱った。しばらく呆然としていると、その人たち、空へ向かって銀色の円盤で飛んでいってしまった。まさか・・・まさか・・・

俳句を詠んだ。「裏山で 宇宙人を 見つけたよ」

 

第7日目

もう1週間。泣きながら歩いていると、いつの間にか知っている道。家に着く。あぁ、近所の裏山に行っただけだったんだ。ホッとしたよ。顔の形がちょっと変わってる気がするけど、気にしない。

 

***

翌日、私は宇宙人になった。


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