「ドラえもん」世界へ興味を持った方への参考文献ガイド
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このサイトを見て、「ドラえもん」をもっと知りたいと思ってくださった方への参考文献ガイド(広告なし)です。すべて小学館など、版元の公式文献を、順番にご紹介しています。しかも、読んでいくと理解が深まる順番にしています。あくまでも「はじめて」ドラえもん世界の奥深さに興味を持ち、「もっと知りたい!」と思い始めた方へのガイドですので、ディープなファンの方からすると「まだまだ物足りない」
「あれが入っていないのはおかしい」「この順番はおかしい」「このにわかめ」と思われることがあるかもしれませんが、完全なる独断と偏見ということでご容赦ください。
以下の文献を順番にさらっていただくと、一応、ドラえもんに一通り詳しい人にはなれる・・・・・・・と思います。あとは、「愛」ですね。
1.単行本を読む
まずは基本のキ。原作を読むことです。ここからすべてがはじまります。
●「てんとう虫コミックス ドラえもん」1~45巻
藤子・F・不二雄先生の自薦集。全45巻。
いろいろな愉しみ方がありますが、「今っぽいドラえもん」から入るほうが、一般的には口当たりがよいと思います。
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【後期】35巻~45巻 → まず熟成された連載後期のドラえもんを読むと、安心感を得られるでしょう。刺激は少なめですが、世界観が「完成」しているので、初読者にとってはもっとも口当たりがよいです。
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【爛熟期】25巻~34巻 → 続いて、「これぞ(一般的に認知されているところの)ドラえもん」という爛熟期のドラえもんを読みます。パターンマンガとしてのドラえもんを味わうならこれで決まりです。
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【発展期】15巻~24巻 → その後、藤子作品が共通して持つ「ブラックさ」「シニカルさ」を存分に味わえる、成長期のドラえもんを読みましょう。ストーリーの勢いを味わえると思います。
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【初期】7巻~14巻 → そろそろ応用編にいきます。初期ドラえもんの完成期といえるドラえもんを読んでみましょう。何故ドラえもんが「生活ギャグマンガ」なのかがよくわかるはずです。
- 【黎明期】1巻~6巻
→ スラップスティック的要素が強い、最初期ドラえもん。ドタバタだが憎めない、破天荒なキャラクターたち、ヘンテコな道具の個性の「踊り具合」に、すっかり魅了されるはずです。
※このほか番外編として、学年誌での初出だけをあつめた『0巻』、ドラミの登場話をあつめた『ドラミちゃん』もあります。ぜひ紐解いてみてください。
●「てんとう虫コミックス ドラえもんプラス」1~7巻
これまで単行本に載っていななかった佳作を集めた作品集。「ドラえもん」1~45巻を読んで「もっと読みたい!」と思ったら、ぜひとも抑えておきたい
コミックスです。
●「てんとう虫コミックス 大長編ドラえもん」 のび太の恐竜~のび太の銀河超特急まで
藤子先生が最後まで関わった作品が「恐竜」から「銀河超特急」までなので、まずはこの作品を抑えておきましょう(絶筆の「ねじまき都市冒険記」はほぼすべてアシスタントの作画であることに留意)。
おすすめは、映画と並行して読むことです。原作と映画の違いがよくわかるだけでなく、藤子先生の「大長編」への思いを感じられるでしょう。
●「藤子・F・不二雄大全集 ドラえもん1~20巻、大長編ドラえもん1~6巻」
「ドラえもん」を単行本未収録を含めて全部読みたい!と思ったあなたは、この作品を読むことで真のドラえもんマスターとなることができます。
2.まとめ本を読む
「ドラえもん」は様々な「まとめ本」が出ています。版元以外のものもたくさんありますが、まずは版元の代表的なものを挙げておきますので、興味に合わせて気になったものを読んでみましょう。
●ドラえもん世界全体の「謎」に興味がある
ドラえもん世界を知るには、この4冊からはじめてみましょう。
「決定版 ドラえもん大辞典」
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これまでにいろいろな「ドラえもん辞典」が出ていますが、現在はこれが最新版です。「ドラえもんの身長」から「出木杉の子ども」まで、だいたいの「ドラえもん基礎知識」はこの本で網羅できるでしょう。
「ドラえもん深読みガイド」
- ファン必携のガイドブック。データが豊富で、ソースも明確。ドラえもん研究にはもってこいの逸品です。思わず単行本を手に取りたくなります。
「ドラえもん公式調査ファイル てんコミ探偵団」
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「深読みガイド」の続編的存在。相変わらず切り口が豊富で面白いです。なお「深読み」と比すると研究事象のソースの網羅度合いはややライトな印象です。
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「1」はキャラやストーリーに、「2」は特に道具にフォーカスした構成です。
「ド・ラ・カルト ドラえもん通の本」(小学館文庫)
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文庫なので大人でも読み応え十分の、ドラえもん研究本。版元の強みを生かし、藤子先生の想いから「ドラえもん世界」の成り立ちを掘り下げている点が他の謎本とは一線を画しています。
●ドラえもんに出てくる「道具」に興味がある
「ドラえもん 最新ひみつ道具大辞典」
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1600種類以上のひみつ道具が登場する決定版です。藤子先生の公式メッセージが読めるのもポイントです。藤子先生は巻頭で、ドラえもんの道具は「セル」か「レンタル」の2種類あって、その3分の2がレンタルであること、試供品の道具でドラえもんの懐はだいぶ助かっていること・・・など、おそろしく現実的な「未来の道具事情」を明かされています。こういうシニカルなことをいきなりぶっこんでくるところが藤子先生のすごさなのですが、ともかく、道具について知りたければ
まずこの本を読むべし、です。
「オールカラー版 ドラえもんひみつ道具ずかん」
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わさび版ドラえもんに登場したひみつ道具約1000種類が掲載されている、フルカラーのミニ図鑑です。「大辞典」には掲載されていないアニメオリジナルの道具(またはアニメで名称を変更して登場させた道具)も掲載されている唯一の本です。また、実はフルカラーの図鑑というのは非常に珍しく、道具の「色味」を知ることができるという点でも貴重な存在です。サイズ的にも内容的にも「大辞典」では十分に楽しめない小さな子ども向けな印象は拭えないですが、上記の理由から内容的には「大きなお友達」にもおすすめです。
- 帯に「テッテレー」と書いてあって、ドラえもんが道具を出すときの音が「テッテレー」だと分かるという謎の知識も身につきます。
●ドラえもん「映画」に興味がある
「映画ドラえもん 超全集」
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映画ドラえもんのことなら、この本がベストオブベストです。全作品のポスター、関係者の秘話、ストーリーのまとめ、主題歌、入場者プレゼントなどをすべてまとめています。登場したひみつ道具もすべて載っているので、研究(例えば原作との登場した道具の差異をみるなど)も捗ります。
●ぜひ、読んでおきたいそのほかの研究本
ここで挙げるのは上記以外の研究本です(版元以外のものも含む)。ドラえもん世界をもっと深く知るのに最適です。
【資料系】
・
三谷幸弘『最新ドラえもんひみつ百科』(1・2巻)、1999、小学館
・
『20周年だよ! ドラえもん ザ・ムービー』1999、キネマ旬報社
・ 『ドラえ本』 (Vol.1〜Vol.3)、1997、1998、2000、小学館
・
『ドラえもん 完全大百科』、1996、小学館
・
『藤子・F・不二雄の世界』、1997、小学館
・
『ぼくドラえもん』(Vol.1〜25)、2004・2005、小学館
・
『もっと!ドラえもん』(Vol1〜5)、2005・2006、小学館
【作品の解釈系】
・
世田谷ドラえもん研究会『ドラえもんの秘密』、1993、データハウス
・
米沢嘉博『藤子不二雄論 FとAの方程式』、2002、河出書房新社
・
横山泰行『ドラえもん学』(PHP新書)、2005、PHP研究所
・
稲田豊史『ドラがたり のび太系男子と藤子・F・不二雄の時代』、2017、PLANETS/第二次惑星開発委員会
【関係者の回想系】
・
水出弘一『「ドラえもん」と野比家の謎』、1997、コアラブックス
・
大山のぶ代『ぼく、ドラえもんでした。 涙と笑いの26年打ち明け話』、2006、小学館
・ 楠部三吉郎『「ドラえもん」への感謝状』、2014、小学館
3.ドラえもんのうたを聞きながらドラえもんを研究しよう
ドラえもんのうたを聞きながらドラえもん研究。私がよくやることですが、最高にテンションが上がります。おすすめのコンピレーションアルバムを3つどうぞ。
●「藤子・F・不二雄 大全集」
-
ドラえもん、オバケのQ太郎、パーマン、キテレツ大百科、エスパー魔美、モジャ公、21エモン、チンプイ・・・といった藤子F先生のアニメの歌がたっぷり詰まった夢のようなアルバム。CD5枚組。
●「映画ドラえもんうたの大全集 DORAEMON THE MOVIE」
- 恐竜から月面探査記までの映画全曲が収録されている驚異の作品集。初期の武田鉄矢ラッシュに酔いしれる!
●「ドラえもん うたのコレクション」
-
TV版ドラえもん(大山ドラ、わさびドラ両方)の主題歌を収録。「ドラえもんのうた」40周年記念バージョンや、なぞのラジオ体操まで。親子2世代で楽しめるコンピレーションアルバム
です。
2021年3月9日公開(2021年3月20日追記1、2024年3月20日追記2)
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