先日「ザ・スーパーマリオブラザーズ ムービー」の話をしました。任天堂は、「難易度設定」が抜群にうまいんですよね。
例えばマリオカート。低年齢の子どもがドリフトも含めてガチで操作するのはちと難しいのですが、今は「オートアクセルモード」と「崖から落ちないモード」も選択できるので、しっかり楽しめちゃうんですよね。ガチ勢もライト勢も取り込めてしまう難易度設定の妙です(だからいまだに売れ続けている)。
原点でもあるアクション版のマリオでも、今や「自動ゴール機能」「無敵モード」などが当たり前にあって、「難しいコース」「苦手な箇所」でも先に進めるように工夫されています。これも、ガチ勢もライト勢も取り込んでしまう絶妙なバランス設計と言えるでしょう。
この映画も同じ。娘は予告編を見ただけでゲラゲラ笑い転げていましたが、マリオ好きならば思わずうなる小ネタの数々に玄人も満足、飽きさせない「90分」のアクション・コメディの連続にライト層も満足。まさに、ゲームで培われたノウハウが詰まっているわけです。
この「90分」というのがまた、絶妙なわけです。集中力というよりも子どものトイレ(膀胱のサイズ)を考えるとこれ以上長いと親からすれば結構ドキドキだったりします。体感的には90分とも思えないくらい「これでもか、これでもか」とテンポよく展開していきますので、そのあたりは子連れ・孫連れ安心です。
「老若男女、誰でも楽しめる」-言うは易く、行うは難しです。しかし、エンタメの雄、任天堂はそれを体現して世に出しました。本当にすごい作品だと思います。宮本茂さんは、やはり天才です。
遊園地の良質なアトラクションに乗ったかのような気分にさせてくれるごきげんな映画。もし、「見ようかな」と迷われているようでしたら、これは推しですね。
『マリオ』だけでなく、昨年から直近にかけて、『高木さん』『スラムダンク』『ドラえもん(空の理想郷)』『コナン(スピッツ×灰原の届かぬ想い編)』みたいな名作が立て続けに世に出されていますので、迷われていたらもう全部見ればいいと思います。秋の『プリキュアオールスターズ』も楽しみだなぁ。