>>前口上をすっとばして、「浪費チェッカー」を開く方はこちら。
先行き不透明な社会。デフレ経済下においては、「無駄遣いを防ぎ、できるだけ蓄財する」ことがミクロレベルでは最適な解となります(お金の価値は上がる一方ですから)。
マクロ的には"派手に消費しないと経済は回復しない"ことくらいは誰もがよく分かっているわけですが、そもそも無い袖は振れないですし、「あるところにはあるでしょ?まずはその人たちから・・」、と僻みたくなるのも人情です。
日本経済は完全に、いわゆる「合成の誤謬」に陥っていますが、ミクロ的には解決のしようもありません。私たちは、明日を生きるため、生活民レベルとしては、今日も蓄財に励んでゆくのでしょう・・。
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「無駄遣いを防ぎ、できるだけ蓄財する」のは、ダイエットと(ベクトルは逆ですが)同一の構造をしています。ダイエットとは、すなわち「無駄食いを防ぎ、できるだけカロリーを消費する」行為です。
式にすると、常に
消費カロリー数(X)ー 摂取カロリー数(Y)> 0
という不等式を成り立たせる行為である、というわけです。
今回話題にしている「蓄財」も同様で、常に
収入(X)ー支出(Y) > 0
という不等式を成り立たせるべきなのです。
どちらの式においても、
(X)を増やすことは大変ですから、
畢竟、 (Y)を矮小化する
ことに焦点が当てられることが多いようです。
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ダイエットでは、(Y)の矮小化の手段の1つとして、「レコーディング」が大流行しました。
「記録を取る」というのは非常に有益な方法で、―あらゆる学習行為(≒教育)においてもそうなのですが―なにがしかの「継続」を必要とする行為に、「意識づけ」というのは、その成功可能性において、非常に理に適っているものだと言えます。レコーディングダイエットはその象徴でしょう。
意識づけの力は強力であり、一度脳が「その方向」に進んだ時には、無意識の意識も喚起せしめられ、目標に向かう大きな推進力となります。このことは、科学的な実証を待たずして、皆さまも経験的に納得される方が多いでしょう。
レコーディング行為のキモは、要するに「見える化」です。百聞は一見に如かず、の言葉が示すように、人は、可視化されると意識するようになることが非常に多いわけです。
・・・ということで、先述の(Y=支出)を矮小化し、それを「見える化」することで、結果として浪費を未然に防ぎ、皆様の蓄財ライフのお供にできれば・・と考え、
「浪費チェッカー」を作成してみました(Y=支出の見える化を図るツールです)。
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毎日いくら、毎月いくら・・など、決まって何気なく購入してしまっているモノやサービスって、ありますよね。中にはほとんど使っていないのに、ズルズルと続けてしまっているものも・・・。
ぜひ、何気なく使っているモノやコトの金額を「可視化」していただき、浪費を洗い出してみてください。ちょっとだけ、現代社会を抉るプログラムではありますが・・・。
追伸;
<過去に○円遣っていて勿体無いから、ほとんど活用していなくても、今後も△△を続ける>・・という思考に人は陥りやすいのですが、これは「サンク・コスト理論」で説明されていて、そこでは、すでに使ってしまった(埋没させてしまった)コストは、未来への投資にはなり得ない、ということが明確に論じられています。「支出の見える化」によって、過去の浪費は忘れ、未来を見つめ直すチャンスにしていただければと思います。
公開:2012年8月12日