決め技
よく言われる話から。
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本気で
敵を倒す気があったら
最初から決め技使ってください。
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水戸黄門。
最初から印籠を出せば、
入浴シーンは不要。
助さん角さんの立ち回りも不要。
そして何より
黄門さまにぞんざいな言葉遣いをして
水戸黄門だと知ってあとで謝る なんてことも不要。
余談だが、
一度
印籠が出たのに
「それがどうした」
って開き直った悪役がいた。
そのころ
幼稚園に行くか行かないかの年だった俺は、
子供ながらに思ったね。
「パターンを崩しちゃ だめだ」
って。
どんな子供だよ。
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RPGなんて、
最初からラストボスが出ればいいのに って思うね。
それじゃつまんないけどね。
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ヒーローモノ。
巨大化した敵 VS ロボ
なら、敵が小さいうちにロボで踏み潰せばいいのに。
それじゃ正義の味方のくせに
卑怯者だけどね。
ところで、
ヒーローモノは、
ストーリーに統一感があって
安心して見られる。
放映第1回は、
決め技のロボが出て次回へ続く・・・
放映第2回は、
決め技のロボが敵を倒してひと段落。
放映第3回から通常のパターンになる。
すなわち、
ストーリー
↓
敵の登場、一般人に被害
↓
ヒーローの出動(単発が多い)
一度やられる
↓
秘密基地で何やかや
↓
ヒーローの出動(変身シーン)
倒す
↓
敵が巨大化する
↓
ロボットの出動
↓
ハッピーエンド
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しかし、
この
「決め技をはじめから使え」論
には、
ひとつ
重大な欠陥がある。
ストーリーも決め技のひとつだ
ということだ。
は?
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水戸黄門。
いきなり印籠じゃ、
ちっとも面白くない。
じわり
じわり
と
悪を懲らしめるからこそ
面白いのであって、
その
目的は、
むしろ
敵を懲らしめること
ではなく、
懲らしめるまでの作法
(パターン)
の確立ではないのだろうか。
これは決め技である。
待球戦法である。
「初めから決め技使えよ」
と
突っ込まれるほどの
ストーリーを確立したお話たちに対し、
その先人の創意工夫に、
みんなで
シャッポを脱ぎませんか?