以下、経験者しかわからない痔瘻の豆知識。
ちなみに、私は手術後の全治3か月、現在の強い痛みが取れるまでは3週間以上・・といわれました。結構重傷な痔瘻患者です。笑えない・・・
その1.手術そのものは痛くない、けれど、そのあとは痛くなってくる・・!
痔瘻の手術そのものは腰椎麻酔なので、痛みを感じません。むしろ、その前段階の肛門周囲膿瘍の切開術が激烈に痛みます(局所麻酔なので)。これを乗り越えた人であれば、痔瘻の手術そのものは大丈夫なはずです。ただし・・・
傷口を縫わない手術でもあるので、傷口の痛みは日を追うごとに強くなってきます。実際は、手術後7-10日くらいが痛みのピークと言われており、これは実際にその通りでした。人によっては2週間目くらいにもっとも痛む、というケースもあるようです。
またシートン法による手術を受けた方の場合は、ゴムが肛門と肉を締め付ける、独特の痛みを経験します。術後麻酔が切れるころになるとこの痛みが発現し、酷い時は笑ったり、咳をしたり、くしゃみをするだけで激烈な痛みが襲います。肛門は収縮する器官だということを、文字通り「痛いほど」理解することができます。解決法は、なるべく肛門を収縮させないことです。なお「怖い話」や「嫌なことを考える」だけで肛門がキューッとしまり、痛みを覚えることもよくわかりました。精神的なリラックスも重要でしょう。
傷口の痛みとゴムによる痛みが連動するのが、排便時です。排便時の痛みは想像をちょっと超える痛みでして、ピーク時には排便後30分間は立ち上がれないほど(作者比)痛むこともあります。不思議とおならは痛まないので、おならが大好きになります。
その2.手術で傷ついたお尻は、「洗う」ことが最重要
傷口を洗うのはしみるような気がするのですが、これは今までの常識が覆りましたね。
基本的に傷跡は濡らしておいたほうが、痛くないのです。乾燥させてはいけません。
お尻はただでさえ汚れやすい個所。「傷口が痛むのは、そこに汚れが付くからだ」・・という理論に基づき、私の入院した病院では、徹底した「座浴(お尻を洗う)」が奨励されていました。
最初は半信半疑だったのですが、繰り返していくうちに「なるほど」と思いました。洗えば洗うほど、傷口から分泌される膿が減り、どんどん楽になっていったのです。
乾燥させればヒリヒリ痛むだけ。むしろ、ずっと水につけておいたほうが、数百倍も楽なのです。
これは目から鱗でした。痔瘻患者は、手術後、とにかくお尻を洗うべきです。騙されたと思って、洗って洗って、洗いまくりましょう。実際、傷の治りも早くなるようです。
その3.お尻は「ビデ」で洗うべし!
お尻を自動で洗ってくれるウォシュレットは、痔瘻の味方です。ここまでウォシュレットが普及しているのは日本くらいだとも聞きます(海外では、「さすがロボットの国日本、トイレまでロボットだ」・・なんて言われているとかいないとか)。ありがたい国に生まれたものです。
ただ、痔主の中でも痔瘻患者はきっとうなずいてくれるでしょう。ウォシュレットの洗浄機能は、傷ついたお尻にとっては「兵器」でしかないということを・・・
そこでコロンブスの卵。「ビデ」を推奨します。私は男なのでビデなど使ったこともなかったのですが、ある時、看護師さんの「ビデがやわらかくていいですよ」の一言で、ビデにすっかりハマってしまったのです。
あのやわらかさ・・きっと、痔のために生まれたんだろうなぁ・・と勝手に解釈してしまうほど気持ちいい・・排便後の痛みが劇的にやわらぎます。お試しください。
1つだけ注意を。位置が前よりですので、ちょっとお尻を動かして使いましょうね。