漫文漫文2012>めちゃくちゃマニアックな話。


通勤電車に乗るとき、静かな環境を臨むあなたは、仮に 車両記号に モハ/クハ/サハ の3種類があったとしたら、間違いなくサハに乗るとよい。

すごく簡単な解説を加えておくと、車両記号の末尾のカタカナは列車の旧等級を表している。「イロハ」の3種類あって、イは旧1等車(現存せず)、ロは旧2等車(現在のグリーン車)、ハが旧3等車なのだ。今、日本の鉄道車両のほとんどはハ車であるといってよい。

そして、車両記号の先頭が、列車のタイプを表す。「モ」は電動機つき。平たく言えば「モーターがついているので音が出る車両ですよ」ということだ。「ク」は駆動装置つき。平たく言えば「運転台がありますよ」ということ。「サ」はただの箱、つまりトレーラーだ。

音が出る順(うるさい順)に示すと、クモハ>クモロ>モハ>モロ>クハ>クロ>サハ>サロ、ということになろうか。

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実はかなり鉄道に深い思い入れを持っている私は、何食わぬ顔で電車に乗っているふりをしながら、乗った瞬間に、その車両が「どこ製なのか」を当てるゲームをしていることが多い。

正解は各車両の連結部にある「車両銘鈑」を見れば一目瞭然なのだが、それではつまらない。

まずはモーターの音を聞き、さらに各車両の微細な造りの違いに着目しながら、正解を導き出していくのである。

モーターは東芝製のGTOインバーター素子? それとも日立製のIGBTインバーター素子? はたまた三菱のIGBTインバーター素子?車体は東急車輛製? 新津製作所製? 近畿車両かな? はたまたアルナ工機? ・・等々、色々と想像をめぐらすのは楽しい。

特に凝っているのはモーター音であり、最近は「どこのモーターを積んでいるか」を真っ先に考えるようになった。

京急の「ドレミファインバータ」はあまりにも有名なのでここでは解説しない。それ以外にも面白い音がたくさんある。

東芝のVVVFインバータ(GTO)。音はファァァン フォオオン フゥゥゥ ファアアアアアン ドゥウウウン・・と、独特の低い変調音が楽しい。 昔の総武快速・横須賀線のE217系でよく聞けたが、今は車両更新で音が変わってしまった。

日立のVVVFインバータ(IGBT)音はもっとも高く、トゥゥーン(↑) タォォォォン(↓) キーンと、異種組み合わせの趣を呈した多彩な変調が楽しめる。 東海道線や湘南新宿ラインのE231系で楽しめるぞ。

三菱のVVVFインバータ(IGBT)音は、ソォォォォォォォン・・という忍び寄る音だ。かなり未来的で、これまた楽しい。 おススメは京浜東北線のE233系でどうぞ。

同種の輩が存在せんことを祈るばかりである。

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話は変わって、ドアの音も面白いぞ。

私鉄や地下鉄には空気式ドアエンジンがまだかなり残存しているが、JR東日本は、電気式モーター若しくはリニアモーター式ドアエンジンに大きく衣替えしている。

私は電気式モーターが好きなのだが、湘南新宿ラインや京葉線などはリニアモーターエンジンを積極的に採用している。これがまた、バッタンガッシャンうるさいのだ。

貫通路のドア。これは私鉄や地下鉄が先んじて、音の少ない「傾斜式ドア」(勝手に閉まる)を採用している。JRはずっと「手動ドア」を採用してきたので、貫通路付近に座るとこれまたガッタンバッシャン超うるせぇのだ。

 

ああ・・すっきりした・・。


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