採用みきわめポイント

↑きっずのトップ


「就職活動」という言葉の裏返しが、「採用活動」である。
「よい人材を採りたい」という採用活動の側から就職活動を俯瞰すると、この人材難の時代、どうやって就職(転職)に臨めばいいかが見えてくる。

今回は、こんな観点で「採用の側から」、履歴書や面接の際に<キーワード>となる項目を集めてみた。


■観点1 責任感
仕事をする上で、この「責任感」は絶対に重要だ。途中で「嫌だからやめる」と放棄されていては、何のプロジェクトも進まないからだ。それをみきわめるキーワードを集めてみた。

(1)面接当日に遅刻してくる
一発アウト。いかなる理由であれ、「早めについていれば何とかなった」のだから。時間が守れない人物には納期も期待できないし、そういう人物は締切りも守れないだろうから、そもそも前提となるスケジュール管理を任せられない。しかし採用が下手な人は、理由如何では許してしまうこともある (愚かだ)。「道に迷った」のは「事前のリサーチ不足」だし、「電車が遅れた」「道が混んでいた」のも「早めに動かないからだ」で終わり。いずれも 何らの理由にもならないのだ。

(2)面接当日に異常に早く来る
これもアウト。一般的には5分前に到着するもの。相手にも準備というものがある。採用する側も、面接直前まで別の業務をしているが普通なので、余りにも早く来る人というのは「自分が早く着いたから居場所がないので来た自己中心的な人」という扱いしか受けない。採用が下手な人は、 こういうのを「やる気がある」と勝手に勘違いする。いや違う。「自分の都合で動いているだけ」なのだ。

(3)現職があるのに、「いつからでもはじめられます」
これもアウト。まともな社会人であれば、「業務の引継があるので、(前職の)上司と相談していついつまでを目途に・・・」と言ってくるはず。採用が下手な人は、こういう「時間の融通が利く」人を「いい人」だと勘違いしがちなのだが、そもそもそれ、そこまで重要な仕事をしていないということでもある。将来、同じことをされるに決まっているので普通は採用しない。

(4)自分の時間を優先してくる(面接日程がすぐに決まらない)
こちらが複数日程を提案して、どれも「この日は行けない」となりすぎる人も危険。要は「あんたの会社のことより、自分のことのほうが大事」と言っているからだ。すべての予定は優先順位でできているので、「この日は都合が悪くて・・・」というのは、「あんたに時間は割けないよ」と言っているに等しい。本気だったら、予定をずらしてでもこちらの面接に来るはずなのだ。採用が下手な人は、 それでも何度か予定を合わせようとするが・・・そんなのとは、はなから関わらないのが吉。

(5)一度決めた面接日程を変更してくる
これも(4)と同じ理由でNG。採用が下手な人は、以下同。

■観点2 継続性
当たり前だが、雇ったからには(当初から短期目的のものでない限りは)長期で働いてもらいたいもの。採用コストをかけて、教育コストをかけて・・ということを考えると、短期で「やっぱり合わないので辞めます」とやられていては、何の意味もないのだ。ということで、それをみきわめるキーフレーズ集を以下に 挙げてみよう。

(1)職が続かない
履歴書で、職が1年、2年・・と続かない。1回ならばまだ「ミスマッチ」で済ませられるかもしれないが、数回あればもはや「雇われで働くのは難しいです」と言っているようなもの。 これは「実際に適正があるかないか」ではなく、「どうみられるか」という話だ(中身と見た目は違うが、見た目が第一なのだ)。ちなみに「2年」を「経験あり」とは普通言わない。

(2)短期間に脈略のない転職が多い
(1)と同様。飽き性という性格はあるので、それはそれで自由なのだが、「一貫性」がないと「うちもどうせ飽きて辞めるんでしょ」と不審がられる。納得いく説明ができるかどうかが勝負だ。

(3)元「一般事務系」公務員
あくまで一般論だ。もちろんうまくいっている人もいるとは思うが・・・
一見しっかりしているので、だいたい、採用が下手な人が騙される。申し訳ないが、「営利」と「非営利」、「絶対安定」と「不安定」には越えられない壁がある。パターンは決まっていて、早々に職場が合わなくなり、すぐに 精神科系統の病名をもらって退職して、元の公務員に戻るのである。 これは1つのパターンで、ある程度の年数「採用」に関わった人であれば「暗黙知」として何らかの経験をしているはず。だいたいの採用担当者は、これで1回は痛い目を見ているはず である(首肯する人は多いと信ずる)。一般的には、よほど困っていない限りは最初から期待をしないほうが安全である(というより、自分が社内で責任を取らされることを想像したら、期待したくてもできない、といったほうが正しいのだが)。 これは差別というよりは、「一般的にそう見られるもの」と思うしかなさそうである。

(4)多趣味すぎる
多趣味なのはいいことだと思うが、一般的に見て、趣味に生きる人は仕事を捨てている。よって、普通は敬遠される。採用の段階から多趣味であることを馬鹿正直に言う必要はない。

(5)資格が多すぎる
(2)の項目に近いのだが、結局「一貫性」の問題。「どうせその資格で生きていくための前座でしょ」と捉えられるのが関の山。 採用が下手な人は「すごいですね」と思ってしまうのだが、普通は「ふーん」で終わり。イメージとして、「学生のボランティアや起業経験」と類するものがある。「で?うちの仕事にどう活かせるの?」を話せないのなら、アピールポイントには まったくならない。

(6)通勤時間が長すぎる
経験的に見て、会社勤めでは1時間2〜30分(電車やバスなど乗り物にに乗っている時間、乗り換え時間を除く)、パートでは2〜30分(ドアツードア)が限度。これを超えると、まず2年は持たない。「大丈夫です、通えます」なんて面接時の軽口を真に受ける採用担当者はいまい。 人は疲れるんです。

(7)<女性の場合>未婚の適齢期である(新卒を除く)
ほぼ近いうちに結婚するか、妊娠するかして、早々に戦力から離脱する。長期勤務を期待して採用を行う担当者はまずいない。「結婚の予定がない」といっても、それは「今」ないだけ。状況は変わる。採用が下手な人は「仕事に生きます」などと宣言した未婚の適齢期の かわいい女の子を喜んで採用して、容易に裏切られるのである。「かわいい適齢期の女子」なんて、「もうすぐ結婚します」と言っているようなものなのだ。 安易に信用してはならない。

(8)<女性の場合>新婚である
これは統計的にも明らかだが、2年継続は期待できない。まず間違いなく妊娠して、仕事を覚えないうちに早々に戦力から離脱する。本当に採用に困っているときや、採用が下手な人はこういう人を採ってしまいがちなのだが、これはもう間違いなく採用側からしたら100%裏切られる案件。 これは不公平とかいう問題ではなく、事実なのだから仕方ない。もう切実に、ほかの従業員の労働時間をこれ以上増やさないためにも(入ってすぐ産休→戻ってくるまで数年となると、その「人材枠」が開いたままになるので、それまでをほかの従業員が穴埋めするのだ。 しかも時間外労働で。そんな余裕は普通の職場にはないのだ)、誰も得しない「無駄撃ち」は避けるべきなのだ。絶対に。 <一人のはたらく権利>と同時に、<ほかの人の雇用と労働環境を守る>という観点は、絶対に必要だ。

(9)<女性の場合>転勤族の妻である
これも上記と同様で、継続性を信じてはならない案件。面接時に「しばらく動かないはずです」などと言っておきながら、2週間前にいきなり「夫の転勤についていくことになりまして・・・」なんてことは、よくあるのだ。これも採用が下手な人は真に受けて面接時の言葉を信じるのだけれど、転勤なんて2週間前に辞令が出るのは普通なのだから、最初からこんな危険な賭けに 出るのは絶対NGなのである。

■観点3 適合性
「素直さ」と「チームワーク」。要するに「郷に入っては郷に従え」で、職場のルールに従って仕事ができるかどうか。「俺ルール」で仕事がしたいなら、どうぞ自営業をしてくださいという話なのである(実際は自営業こそ、世間から隔絶して自由に振る舞って 、うまくいくわけがないのだが)。

(1)面接で前職の悪口を言う
これは最悪。要するに、ここでもいずれ同じことをされるからだ。だいたい、一般論として、犯罪やブラックないしグレーな労働環境であった場合以外、「自分が選んだ自分の仕事を悪く言う」のは、結局は「それに自分を適合させる努力をせず、何でも人のせいにする人」とみなされるだけだからである。こんな人とは危なくて一緒に働いていられない。 現代風にいうと、「人の悪口を言うことで自分はマウントを取る」タイプというのかな、こんなの信用ならんでしょう。

(2)オーバースペック
人は、同じような環境で育った人のコミュニティがやはり快適なようで、自然と同じような生活水準の人が似たようなコミュニティに集まるようになる。私はこれを「高校効果」と呼んでいるのだが、要するに、学力などの水準が受験によって平準化される高校、そして大学が一般的に「精神的に楽」なのは、上記の理由によるようだ。たぶん。
ということで、何が言いたいかというと、その職場にとってレベルが高すぎる人、あるいはその逆は、結局は居ても持て余すだけなのだ。身体が免疫機能を持つように、組織も(疑似的な身体・・例えば 「法人」ともいうことからもわかる)異分子排除機能を一定程度持つのだと思う。これは本能的なもので、仕方ない。組織の戦略上、オーバースペックな人材を投入することはあるかもしれないが、それはあくまでも「組織改革」の文脈においてのみ、なのだと思う。

(3)余りにも基礎学力がない
書くまでもない。 驚くほどできなければ、危なすぎて仕事を任せられない。誤解のないように書いておくと、ここでは「学歴」ではない、「学力」のことを言っている。なぜ高学歴が採用時にフィルターされるかというと、統計的に「高学歴」のほうが「基礎学力」が高い<確率が大きい>と見做されているからだ(実際にそうかどうかは問わない)。まず「入り口」の「確率」の問題なのである。

(4)やたらと細かい質問をしてくる
面接に限らず、打合せでも何でもよいが、ともかく色々な条件面を細かく質問してくる人がいる。これは経験上、例外なく「はずれ」。的を射た質問であればいいが、重箱の隅をつつくようなどうでもいい質問を悪びれることもなく繰り返す人物は、組織にとっては百害あって一利なしだ。「全員が100%満足する状態」など実現できるわけがないのだから、「妥協点を探る」ように動くしかないのだ。それができない人は、適合性なしと判断されても致し方あるまい。 ・・・・・どうもこれ、どこかの野党にも当てはまりそうだぞ。「何でも反対」する人物に仕事を任せられますか?

(5)疑い深い
「本当にそうなのか」を自分で納得しないと先に進めないというパターン。挙句の果てに、面接の際にも「本当に条件の●●はその通りですか?」などと聞いてしまう。疑い深い人も、採用側からしたら間違いなくNGである。

(6)マイナス思考
稲森和夫氏の「考え方×熱意×能力=結果」という有名な式からみても明らかなように、考え方がマイナスだと、もうそれだけで、結果はマイナスになってしまうということ。慎重な人が無理にポジティブになれということではなく、ネガティブになりがちな志向性があるのならば、「どうしたらそれがよくなるか」という方向に 思考をシフトチェンジする、と。こういう系統の話はどうしても怪しい自己啓発本みたいになるので、結論だけ書くと、「マイナス思考の人に利益を生み出せる人はいない」と。 だからマイナス思考は基本的に<前に進んでいく>企業においては邪魔になってしまうのだ。

■番外編 採用が下手糞な人が陥りがちな罠
よく「やる気があるから、いい人」といって採用しようとする奴がいるのだが・・・応募に来ているのだからやる気があるのは当たり前だろう。「やる気」と能力は別物。やる気があることは前提で採用をしなければならない。

ここで肝に銘じておくべきなのは、ゼークトの組織論であろう。

曰く、
有能な怠け者は指揮官にせよ
有能な働き者は参謀に向いている
無能な怠け者は下級兵士に

そして
無能な働き者は銃殺しかない

やる気は重要ではない。むしろゼークトの理論に拠るならば、「やる気のある無能」は、組織にとってもっとも害悪だと言っている (やる気のある無能は、能力がない癖に仕事をしたふりをして周囲を振り回す。勝手に仕事を増やす。マニュアルのマニュアルをつくる。 「百害あって一利なし」とはまさにこのことである)。しかし、「やる気」で採用しようとしている愚は繰り返し行われている。繰り返すが、「やる気」は応募に来ている 段階で、もうあるのだ。見るべきは「能力」なのである。

能力が低ければソルジャーに、少し高ければ管理職に、そしてもっと高ければ、やる気に関わらず「指揮者」にすればよいのだ。 ただ、やる気のある無能だけは決して採ってはならない。採用が下手な人は、ここが分かっていない。職務遂行能力を重視しないのである。能力が碌すっぽないのにやる気だけで採ろうとするから、いつまでたっても「採用能力」が成長しないのだ。

これ全部、お前のことだよ!(・・・と、現場で苦労させられているA氏は語るのであった) これはフィクションです


↑きっずのトップ