危なっかしくてなかなか近寄れない。だが、俺は勇気を振り絞ってやつに近づいた。

やつは無言だった。だが、俺の顔に向かってその刃を突きたてた。

・・・痛い。

俺は思わずやつから退いた。・・・血。

負けた・・・またも負けた・・・

カミソリ負け。

だが、俺がやってくるなり、首をいきなり絞めやがった。

「これが仕事だ」と言わんばかりに。

少々苦しいが、じきに慣れてくる。

ネクタイ。

大きな、一軒家。

豪華な造り。

庭には、色とりどりの植物に小鳥達が思わず歌を歌う。

リビングには、ぬくもりのある暖炉。

ジャグジー、サウナ。風呂にもこだわった。

機能的なキッチン。

ベッドは眠りごこちを徹底的に追求した。

大きな窓。素晴らしいデザインのカーテン。

仕事のできる、トイレ。

落ち着ける、書斎。

男は満足していた。

細部にこだわりすぎて

玄関を作るのを忘れたが。