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決め技


よく言われる話から。

 

+++

 

本気で

 

敵を倒す気があったら

 

最初から決め技使ってください。

 

+++

 

水戸黄門。

 

最初から印籠を出せば、

 

入浴シーンは不要。

助さん角さんの立ち回りも不要。

 

そして何より

黄門さまにぞんざいな言葉遣いをして

水戸黄門だと知ってあとで謝る なんてことも不要。

 

余談だが、

 

一度

印籠が出たのに

「それがどうした」

って開き直った悪役がいた。

 

そのころ

幼稚園に行くか行かないかの年だった俺は、

子供ながらに思ったね。

 

「パターンを崩しちゃ だめだ」

 

って。

どんな子供だよ。

 

+++

 

RPGなんて、

 

最初からラストボスが出ればいいのに って思うね。

 

それじゃつまんないけどね。

 

+++

 

ヒーローモノ。

 

巨大化した敵 VS ロボ

 

なら、敵が小さいうちにロボで踏み潰せばいいのに。

 

それじゃ正義の味方のくせに

卑怯者だけどね。

 

ところで、

ヒーローモノは、

ストーリーに統一感があって

安心して見られる。

 

放映第1回は、

決め技のロボが出て次回へ続く・・・

 

放映第2回は、

決め技のロボが敵を倒してひと段落。

 

放映第3回から通常のパターンになる。

すなわち、

 

ストーリー

 ↓

敵の登場、一般人に被害

 ↓

ヒーローの出動(単発が多い)

 一度やられる

 ↓

秘密基地で何やかや

 ↓

ヒーローの出動(変身シーン)

 倒す

 ↓

敵が巨大化する

 ↓

ロボットの出動

 ↓

ハッピーエンド

 

+++

 

しかし、

 

この

「決め技をはじめから使え」論

には、

 

ひとつ

重大な欠陥がある。

 

ストーリーも決め技のひとつだ

ということだ。

 

は?

 

+++

 

水戸黄門。

 

いきなり印籠じゃ、

ちっとも面白くない。

 

じわり

 

じわり

 

 

悪を懲らしめるからこそ

 

面白いのであって、

 

その

目的は、

 

むしろ

 

 

敵を懲らしめること

 

ではなく、

 

懲らしめるまでの作法

(パターン)

 

の確立ではないのだろうか。

 

これは決め技である。

待球戦法である。

 

「初めから決め技使えよ」

突っ込まれるほどの

 

ストーリーを確立したお話たちに対し、

 

その先人の創意工夫に、

 

みんなで

 

シャッポを脱ぎませんか?


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